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髪は風でボサボサになって、シャツは汗で色が変わってる。
鞄を地面に置いて乱雑に目元を拭う。
ビックリして泣いてしまう子供のように止まらない涙に、私自身もどうしたらいいのか分からない。
ジミンは眉を顰めて、私に一歩ずつゆっくりと歩き出す。
「………、」
目の前に来ると躊躇いながら私の背中に手を回した。
「…よかった、…間に合って……っ」
耳元に感じるまだ整わない息遣いにきゅっと目を瞑った。
目の前にこうして抱きしめられても、まだジミンが居ることが夢のようだった。
『…な、んで…』
「……もう、電車乗ったのかと思って、ダメかと思った…」
『…』
「こんな中途半端なまま、絶対嫌で、だから、俺っ…」
震えたような潤み声。
つられてまた、涙が溢れそうになった。
ゆっくり離れた身体にジミンを見上げると、同じように潤んだ瞳で私を見つめた。
「……どうして、居なくなっちゃったの…?」
『……え?』
「小屋に居なくて、ほんとにもう…」
『え、と、……』
どういうこと…?
「これ、」
ジミンが手に持っていたのは昨日の祭りで私が取った金魚が入っていた巾着。
中には何も入って無かった。
『…あ、』
「金魚のこと、すっかり忘れてて、」
「朝起きたらまだ生きてたから、急いで近くの川に連れて行ったんだ」
『…』
「戻ってきたら、居なくて…終わったと思った。
また……あの時みたいに」
『っ…、』
私、勘違いしてたんだ…。
『…ごめん、なさい』
7年前と同じように、私がした罪を今度はジミンがやったんだと先走っちゃったんだ。
ジミンを2度も傷つけた…。
『ごめん、ジミン、ごめん…っ』
涙を滲ませて俯く。
拭いても拭いても、枯れることはなくて。
またあたたかな温度を感じ、再びジミンから抱きしめられた。
「……好きだから。…Aちゃんのこと、ちゃんと好き。
ごめん…言わなくて、ごめん。言えない小心者で…ごめん」
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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです!これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💕 (11月9日 0時) (レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:130号室 | 作成日時:2022年10月1日 0時