検索窓
今日:62 hit、昨日:12 hit、合計:60,389 hit

ページ4

.









扉をスライドで引き、中に入るとふわりと芳しいヒノキの香りがした。


ああ、この匂い。凄く落ち着く。
おばさんの家に来たんだと、実感できる。

歩き慣れたフローリングより歩きやすい畳を踏んだ時、自然と笑みが溢れた。


冷凍庫に入っていたソーダ味の棒付きアイスを貰って扇風機の前に座る。
古いせいかボボボと変な音を鳴らす扇風機の風が身体中の汗を乾かし一気に温度が冷えていく。


「そんなに近くで当たってると風邪引くわよ〜」なんておばさんに言われて、子供に戻った気分。


「Aちゃん、スイカもあるけど食べる?」


『えっ、食べたいっ』


「あ、でもあの子が来た時に持ってきてあげるわね」


『……?』




あの子…?




「さっき私から連絡したのよ。
iPhoneの充電器持ってないかって聞いたらあの子直ぐに__」


「おばさん持ってきたよ」


「あら、随分来るのが早かったわね。はーい」


『?』




玄関の方から見知らぬ人の声がした。

おばさんは私の側を離れて玄関へ行き、来てくれてありがとうだなんだって声が聞こえた。


iPhoneの充電器が無いかって聞いたから、わざわざ誰かに頼んで持ってきてもらったのかな。

食べ終わったアイスの棒を捨てて、玄関へ向かう。




『おばさん?』


「あら、どのみちそっちに連れて行こうと思ってたんだけどね、まあいいわ」




振り返ったおばさん越しに見えた背の高い男の人と目があった。




「Aちゃん、この子誰だか分かる?」




笑いながらそう聞いたおばさんの声はギリギリ耳に届いた。


何度か瞬きをすると、私の存在にようやく気付いたように
みるみる目を大きく開いた。


………まさか。
まだ、ここに居るなんて………。




「………え、もしかして…Aちゃん?」


『…………じ、…ジミン、……』









.

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (161 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
439人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジミン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです!これからも楽しみにしています🙇🏻‍♀️💕 (11月9日 0時) (レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:130号室 | 作成日時:2022年10月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。