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翌日、体調が良くなったジミンがいつものように遊びに来てくれた。
だけど、話す気にはなれなくておばさんから会わないと伝えてもらった。


ジミンと出会ってから初めて、おばさんの家で引き篭もる生活が続いた。


改めて思うと、ジミンが居なかったらこの田舎がどれだけつまらないものかをより実感した夏休みになった。

ジミンは悪く無いのに素直になれない自分への腹正しさと、それでもどうしても行きたいと思っていた花火大会への未練で毎日のように布団の中で涙を流した。


結局最後までジミンとは会わずに夏休みを終えて、小6の夏休みでぎこちなく再会した。


小6になっても、花火大会に行けることは無かったけどその代わりに手持ち花火をした。
赤から黄色へ、黄色から緑へ、緑から青へ。

移り変わる虹色の花火。目を合わせて綺麗だねと笑い合った。


小さくもどこか力強く輝いた線香花火を向かい合わせでするあの空間は、今までにみたどの花火よりも美しく、今も忘れられないほど素敵な思い出になった。




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『あれは、喧嘩っていうか、本当に私が子供だった』


「それほど楽しみにしてたものを無かったことにしちゃったんだよ。
俺がAちゃんの立場でも、怒ってたと思うよ。

まあでも、会いたくないって言われた時は本気でショックだったけど」


『うぅ、ごめんって…』


「あははっ、」


『…でも、どうして突然?』




ジミンとの思い出は小さな記憶から大きな記憶まで、数えきれないほどある。


そんな中で唯一といっていい気まずくなってしまった時期の話をし始めるなんて。

横目で私を視界に捉えると口角をくいっと持ち上げた。




「今日ね、花火大会の日なの」


『…え?』



「行こう。花火大会に」









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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです!これからも楽しみにしています🙇🏻‍♀️💕 (11月9日 0時) (レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:130号室 | 作成日時:2022年10月1日 0時

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