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いつもと同じはずの瞳は揺れているように見えた。


揺れたように見えただけか、本当に揺れていたかは分からない。
それくらいあまりにも短すぎる時間だった。


目が逸らされると、ジミンは隣で新鮮そうなプチトマトを頬張るジョングクくんに話しかけていた。




「ひひ。ね?面白いものが見れたでしょ?」




再び騒がしくなった胸の音を落ち着かせるために、頷くだけで精一杯だった。




「ほらほら、早く入ろ」




繋がれたままだったらしいテヒョンくんの腕に引かれて、裸足になってから川の中にゆっくりと入る。


見た目は涼しくても、常に日に照らされている水はほんのちょっぴりぬるい。




『テヒョンくん、ここ結構ぬるいね』


「そうだね。というかAちゃん、昔はテヒョンって呼んでくれてたのに今はくん付けなんだ?」


『あ、うん…なんか10年も会ってないのにアレかなって』


「昔みたいにテヒョンって呼ばれたいな。ね、呼んでみてよ」




私の顔を覗きこむテヒョンくんに、一瞬だけ胸がトクンと小さく鳴る。

整い過ぎた顔は、好きな人じゃなくても胸は鳴ってしまうらしい。




『…テヒョン』




ぼそっと言った言葉に「良いね」と不思議な感想をいただいた。




「Aちゃん。おれはね、人はそんな簡単に変われるものじゃないと思ってるよ」




テヒョンくんは、緩やかに流れる川の水を見つめながらそう言った。




「人は変われるってあるでしょ?」


『うん』


「それはね、そうだとおもうよ。身長が伸びたり、ちょっぴり太ったり。
あ、ほら。俺なんか痩せてるって言われるけどちょっと太ってるんだよ」




服の上から摘んでみせたお腹の肉にプッと思わず吹き出してしまうと、テヒョンくんも私を見て笑った。









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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです!これからも楽しみにしています🙇🏻‍♀️💕 (11月9日 0時) (レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:130号室 | 作成日時:2022年10月1日 0時

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