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車を発進させてから10分。
ずっと喋り続けたわけじゃないけど、ぽつぽつと会話をした。
ジミンは今、イベント会場とかに観葉植物を飾るグリーンコーディネーターっていう仕事に就いてるらしい。
都会で住んでるって言ってたけど、緑に触れた仕事だと聞いてちょっとだけ安心した。
「Aちゃんは、どんな仕事してるの?」
『普通のOLだよ』
「へー、事務系かあ。結構大変だよね」
『うん。でもまあ、仕事は楽しいよ』
「仕事は?」
『…あ、いや、うん』
何気なく出てしまった本音を拾われてしまった。
前から目を逸らし私を捉えるように見つめてくるジミンが何を言うか怖くて身構えていたけれど。
「あ、ここ目的地ね」
パッと逸らされて逆にこっちが呆気にとられてしまった。
触れてはいけないと感じ取ってくれたんだろう。
気の利いたところは昔と変わらないなと思う反面、そこまで気づいたなら聞いてくればいいのにと矛盾した考えを思いながら車が停止するのを待った。
到着先は昔遊んだ川の付近。
停めた隣にも同じような車が1台あって、誰かいるのかななんて思っていると。
「ジミナ!」
誰かがジミンを呼ぶ声が聞こえた。
少し先には見知らぬ男の人2人が大きなビニール袋をそれぞれ持っている。
「Aちゃん、アレ誰だかわかる?」
隣に立っているジミンが先にいる佇んだ人とこちらに向かって手を振っている人を指さした。
『ジミンの友達?』
「そうだよ。だけど、Aちゃんも会ったことがある人」
『…私も?』
私がこの町で会ったことある人なんて、おばさんと、ジミンと、ジミンの両親と、それから…、
「ごめんね、2人とも。お待たせ」
ジミンがそう言いながら2人の元へ行き向かい合わせになったとき、もしかしたら?と思っていたことが確信に変わった。
「久しぶり、Aちゃん。俺らのこと覚えてる?」
嬉しそうに目を細めて笑う人と、まだくりくりの目をこちらに向けている人。
…思い出した。
『…もしかして、テヒョンくんと、ジョングクくん?』
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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです!これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💕 (11月9日 0時) (レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:130号室 | 作成日時:2022年10月1日 0時