事故のおかげ？izwさん ページ17
河「今から出かけなきゃいけないから、これ伊沢に渡しといてくれない？」
『あ、はい！』
そう言ったのは10分前。今度の企画の資料を渡すために伊沢さんを探している。
『伊沢さん〜どこ〜』
「A？」
『あ、伊沢さん！！』
ちょうど階段を登ろうとした時に伊沢さんの声が後ろから。
「どうしたの？」
『この資料、河村さんが！』
はい、と渡しに階段を1歩降りようとしたその瞬間、
あれ、段がない？
次の瞬間体は前のめりに。
「えっ、おい！」
『わっ、』
やばい、このままじゃ床に顔ぶつける、！
そう思って反射でぎゅっと目を瞑る。
あれ、痛くない？
でもなんか、口に柔らかい感触が...
恐る恐る目を開けると、伊沢さんの顔がドアップに。
『っえええええええ？！？！』
『ご、ごごごめんなさい！！！ほんと！すいません！怪我ないですか？！』
「怪我はないけど、そっちこそ大丈夫？」
『いやいや全然大丈夫です！ほんとすいません！はいこれ、資料です！じゃあ失礼します！！』
勢いよくオフィスを出た。
まさか、まさかまさか伊沢さんとキスしちゃうなんて。事故だったとしてもやっぱり、
伊沢さんのあんな顔見たら、期待しちゃうじゃないか。
ちょっと目を逸らして、頬を赤く染めて。
あの顔、他の人には見せて欲しくないなぁって思って。やっぱり伊沢さんのこと好きなんだなぁ私って。
この事故をきっかけに、今より少し近づけたりして、とか。
伊沢さん、ちょっと意識してくれたりして、とか。
不純な妄想ばっかりして早足に道を歩く。
あぁ、顔が熱い。
明日からもっと頑張って、ほんとにあの顔私にだけしか見せられないようにしよう。
人性で1番の、私の宣戦布告。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんで、あんなことしちゃうかなぁ、、
今までずっと隠してきたのに、、
我慢できなくなるじゃんか。」
突然起こった出来事に、戸惑いを隠せない彼。
密かに思いを寄せていたはずの心が、動き出して溢れる。
「もう、、覚悟しとけ、、」
今度は事故じゃなくて意図的に。
明日から猛アタックが始まるのは、まだ知らなくていいでしょう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 実紅露。さん» いえいえっ！！こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！嬉しいです！！ (2020年3月30日 17時) (
レス) id: 73270576ea (このIDを非表示/違反報告)
実紅露。 - めっちゃキュンキュンしました！ありがとうございます！ (2020年3月30日 10時) (レス) id: ec857bc14c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグくらいちゃんと外して下さい (2020年2月16日 15時) (レス) id: 34c689493b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2020年2月16日 13時
