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────────ドガァンッ
『!!?』
オーヴェンさん遅いなーなんて思っていると遠くで爆発のような音が響いた
一旦フィンラルの治療をやめて状況を把握するのに窓の外に顔を出す
『…………!あれは』
よく見ると城中央のいちばん高い塔が崩れていた。どうやら先程の爆発のような音は塔が崩れた音らしい。
いくら同じ城の敷地と言っても無駄にひろすぎる故にいまいち状況が詳しく把握できない
あのバカ国王が無駄に広く城を作りやがるから!!
なんて、内心悪態をついてもどうにもならないが。
『とにかく行かなきゃ!』
━━━━━どこへ?
『どこってそんなの決まって…る……え?』
あたしと眠ったままのフィンラルしかいない部屋に自分じゃない声が響いた。
『っ…!?』
フィンラルの目が覚めたのかと思い振り返るが先程と変わらず横たわる様子を見るにきっと違う。オマケに女だった。声の主は女。この部屋にはあたしとフィンラルしか居なくて、知らない女の声……
『っ誰だ!!』
すぐさま戦闘態勢に入る。部屋中をくまなく探すがどこにも誰の気配もない
━━━━━ふふふ。ここよ
『だからどこに…』
━━━━━あら?お仲間が死にそうよ?
『…な、んだこれっ!!!』
声は聞こえても姿も気配もない。そんな敵と相対するせいで気でもふれたかと一瞬考えた。
フィンラルを守るために添えていた
『っくそ!やめろ』
言うことを聞かない左手。ギチギチと締まるフィンラルの首。このままじゃ首が折れ───
━━━━あらまぁ。野蛮ね
手直にあったオーヴェンさんの鞄からメスを取り出し思いっきり腕にぶっ刺した
するとようやく左手の力が抜け自由になる。
━━━━そんなに彼が大事なの?ニンゲンて本当によく分からないわ
『アンタ、いい加減にしなよ。何が目的なの?』
「貴方はそんなこと知らなくていいノヨ。どうせただの器なんダかラ」
『フィンラル…?』
「あァ彼の名前?ごめんなサい今は私が借りてるの」
ゆらりと立ち上がったフィンラル。首元はあたしの血で汚れてしまっているがそれとは別に違和感がある
『あんた、その顔…』
「やっぱり器じゃナイと動かしにくいワ」
ズズズ、と彼の顔を覆うのは見覚えのある文字。反射的に自分の左腕を見るとそこには見なれた文字はなく真っ白な肌があった
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セツナ(プロフ) - 面白くてサクサク進みます!次の更新も待ってます!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page10 id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)さん» ありがとうございます!がんばります(`・ω・´) (2020年8月21日 1時) (レス) id: 91565c1f3e (このIDを非表示/違反報告)
漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2020年8月19日 22時) (レス) id: 7e6458e2b5 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - music2さん» ありがとうございます!亀更新ではありますが皆様の期待に応えられるようにがんばります( ^ω^) (2020年5月18日 17時) (レス) id: 91565c1f3e (このIDを非表示/違反報告)
music2(プロフ) - 面白くて一気に読み進めちゃいました。更新頑張ってください! (2020年5月18日 1時) (レス) id: 21f716fae7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾鷹 | 作成日時:2018年3月4日 0時