愛されメイドの備忘録 (ページ39)

今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:19,181 hit

✿ ページ39

「う…嬉しいですけど…今日は私のお買い物に付き合ってください」

諦めてくれた2人と共に4階まで来ると、私はフードコートの中に入った。

『なんやもう飯か？』

「ここのハンバーガーすっごい美味しいんですよ！」

沢山のお店が並ぶ中私が学生時代よく食べていたハンバーガーのお店の前に2人を連れて行く。

『へぇ…』

『うわ…きゅうり…』

「このお店…知らないですよね」

『知らんな。フードコートにしかあらへんねやろ？』

「いや…結構どこにでも…」

『なぁほんまに美味いん？』

「美味いです！味は保証します！」

流石お金持ちなお2人。

絶対普通の人なら誰でも知ってるお店も知らず、好き嫌い激しい横山さんに至ってはメニューを見ながら顔をしかめていた。

『ほな1番美味いの買おか』

「えっとですね…」

3人同じものを頼み、2人には先に席に戻ってもらうと私は商品が来るまで待つ。

久しぶりに食べる美味しいハンバーガーを受け取ると席へと戻った。

のだが、案の定こうなってるのよね。

〔お兄さん達凄いかっこいいですね…！〕

『ほんま？ありがとうな』

〔良かったら連絡先とか…〕

『いやいやそんなもん貰ってもなぁ』

〔お兄さんお名前なんて言うんですか？！〕

『なんで言わなあかんねん……』

〔え、待ってマジでイケメンなんだけど！〕

『うるさ…ヒナなんとかしてや』

『なんとかってなぁ……あ！A！こっちや！』

今のタイミングで私を呼ぶ？！

いやいや女の子達の視線が痛すぎます…。

「あ…お…お持ち…」

『すまんなぁ…俺らには彼女が居るから』

〔え、お兄さんの彼女ですか？〕

村上さんにグイグイ来ていた女の子が私に厳しい視線を向ける。

スタイル抜群で私よりも綺麗で背も高い。

そりゃ…私不釣り合いですよね。

『そうやったらあかんの？』

〔え？あ…まぁ…お兄さん、私の方が…〕

『うるせぇな…お前らみたいな外見だけ女が1番嫌いやねん』

横山さんの言葉にその場の女子が全員一気に黙り込んだ。

『ほらほら、このお兄さんが本気でキレる前に帰りや』

なんとかその場を静めた村上さんは私を見上げて苦笑いを浮かべた。

『すまんな笑』

「いえ…！食べましょ！」

トレイをテーブルに置くと、私は顔を背ける横山さんの隣に座った。