愛されメイドの備忘録 (ページ27)

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✿ ページ27

『邪魔者が居なくなったことやし…僕とのティータイムに付き合ってくれへん？』

「う…うん…」

丸山くんの前に座ると丸山くんは2人の飲みかけの珈琲を自分のコップに注いだ。

「あ…入れ直すよ？」

『大丈夫。これも僕のためにメイドちゃんが注いでくれたものやから…ね？』

雰囲気がちょっと怪しい感じがする丸山くんに私は苦笑いするしかない。

『それでメイドちゃんはさどう思う？』

お菓子をつまみながら丸山くんは私に問いかける。

「どうって…人を殺めるのは何が理由でも駄目だと…」

『それが法律で決められとるからね。被害者のことなんかなーんも考えずに』

「丸山くんは…そう思ったこと…」

『ある』

きっぱり言い捨てた丸山くんは、自分の右手の指に輝く橙色の宝石に触れながら私をじっと見つめてくる。

『なんで僕じゃあかんねやろって、こんな世界線で会わなければ良かったなぁって…思う度に……なぁんてね！笑』

「え、？」

『もう〜僕はこう見えても弁護士やでぇ？メイドちゃんってほんまに騙されやすいなぁ〜』

いつものようにえくぼを見せて微笑む丸山くんは、私の頭に手を伸ばした。

「そ…そうだよね笑ごめん、なんか…」

『そんなメイドちゃんが好きやねんけどさ〜』

わしゃわしゃと私の頭を撫でると満足したように手を離した。