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｢それにしても、Aが警察官ねぇ･･･。お父さんに憧れた？｣
｢ううん。昔、助けてもらった警察の人がいたんだけど･･･｣
秀一にした話を母さんにも話した
｢そんな事がね。その人はどんな人だった？｣
｢えーっと、サングラスしてて、ふわふわの髪の毛してた｣
そう言うと母さんは目を見開いた
｢またその人に会いたいんだけど、父さんだったら知ってるかな？｣
｢お父さんに頼むより、自分から会いに行きなさい。自分は貴方に憧れて、格好良いと思ったから警察官になったんだって言ってあげなさい｣
｢わ、分かった｣
｢母さん、片付けて来るから｣
頷いて返すと母さんは食器を片付けに行った
いつもの母さんでは無かったような気がした。会った人の特徴を話した時、母さんは驚いていた。元気が無かった
その理由は分からなかったけど、訊いてはいけないような気がした。訊いたら、後悔するような気がした。だから、その人の話題は母さんにはしないでおこうと思った
その後、母さんと話す事も無く、お風呂に入って、ベッドに沈み込んだ
｢なれるかな･･･｣
一人の部屋で呟いた
勉強は苦手だが、こればっかりは仕方がない。立派な警察官になると言ったのだから、しっかりしないと。天井を見詰めながら、そんな事を考えていると、いつの間にか眠りについていた
いつも通り、いつも通りの学校だと思っていたのだが、そうもいかないらしい
｢･･･菊｣
学校に行くと自分の机の上に暫く見掛け無かった菊の花が花瓶に活けられていた
犯人は探す必要も無く、目の前に座っている奴だろうとは思う。こちらも見ずにクスクス笑っているのだから。俺が自分の席に向かっている時も目の前の奴は笑っていた
｢･･･堕ちたな。ま、精々頑張って。お小遣いが無くなるまで｣
目の前に奴に言い、花瓶を後ろの棚に置いて、自分の席に座った。特に学校での事は無く、いつものように下校し、透くんに会いに行った
｢透くん、こんにちは｣
｢こんにちは。オレンジジュースで良いですか？｣
｢うん。ありがと｣
いつもの席に座って、オレンジジュースを貰う
｢今日は元気が無いですね。学校で何かありましたか？｣
｢何にも。いつもの事だよ｣
そう言って笑った
｢いつもの事、ですか｣
｢うん。だから気にしないで｣
透くんに言って、受け取ったオレンジジュースを飲んだ
｢じゃあ、また明日｣
｢･･･はい。また｣
早めにジュースを飲み終えて、透くんと別れた。公園に向かい、ベンチに座り、持って来ていた本を読んでいると固い何かが頭に当たった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2019年10月14日 20時
