例えば、俺みたいな小学生がいるとして。２ (ページ37)

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自室に戻ったものの、使い方が分からないので、母さんに少し習う事になった。調べるに当たっての事だけを教わり、ゆっくりと調べ始めた

｢う、うーん･･･｣

調べ始めて一番最初に後悔をした

気持ち悪いとかそんなんじゃなくて、男同士で恋人になるには一定数の人から批判があるらしい。俺なんかの為に批判の目を向けさせたくは無いし、それに、男同士の行為は色々大変だという

何が大変なのかは、怖くて調べられなかったけど

結論から言うと、男同士で恋人になるのは大変だという事が分かった。そして、調べていくに連れて、少しずつ自分の想いも分かり始めていた

その想いは俺が子供だから思う事なのかもしれないけれど、今の俺では、そう思う事しか出来なくなっていた

それを透くんと秀一に伝えようと思った

まずは透くんに伝えようと思ったのだが、透くんに会いに行く事が怖かった。喫茶店の前に立って、何度も扉を開けようとしたが、どうしても勇気が出なかった

何度も諦めては、公園のベンチで座っていた

｢はぁ･･･｣

情けなく溜め息を吐いては、どうしようかと悩んでいた

ボーッと考えていると隣に誰かが座った。ベンチは俺のものでは無いので、それは仕方ない

｢Aくん｣

だけど、聞き覚えのある声に話し掛けられて反射的に立ち上がって、その場を離れようと思った。でも、それは手首を掴まれた事によって出来なくなった

｢逃げないでくれ。Aくん｣
｢･･･ごめん｣
｢謝らなくて良い。それが普通だ。だが、少し話をしないか？｣

頷いて返し、ベンチに座り直した

｢沖矢から聞いただろう？｣
｢･･･うん。聞いた｣
｢驚かせて、すまない｣
｢本当だよ。いきなりだったもの｣

秀一の事に関しては、いきなりの事過ぎて、何をどうすれば良いのか分からなかった。そんな雰囲気、どこにも無かったのに

｢本当、俺のどこが良いの？｣
｢俺は君の真っ直ぐなところに惹かれた。何かを守ろうと命を懸けた姿に惹かれたんだ｣
｢そうなんだ。俺には分からないけど｣
｢そうか。残念だ｣

秀一はそう言って笑うが本当に分からない

｢それで、だけど･･･｣
｢ああ｣

話を切り出すと秀一は止めようとはしなかった

｢･･･俺さ、まだ子供な訳じゃん？｣
｢そうだな｣
｢だから、付き合うとか好きとか分からないんだよ。調べてみたけど｣

今、俺が抱えている気持ちが、どんなものかも不透明だけど、これだけは言えた

｢･･･俺は秀一と友達でいたい｣

秀一に伝えるべき言葉を伝えた