例えば、俺みたいな小学生がいるとして。２ (ページ31)

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｢ハロー、お前は可愛いなぁ｣

奥の部屋で座ってハロとじゃれながら独り言を溢した

｢俺もこれぐらい可愛ければ、何か良い事でもあったのかもなぁ｣
｢何か良い事というのは？｣
｢うわあぁっ!!?｣

突然、耳元で聞こえた声に驚いて、叫び声をあげてしまう

｢す、すみません。そこまで驚くとは思わなくて･･･｣
｢お、俺が怖がりなの覚えてる？｣

鼓動の速い胸を押さえながら透くんに問い掛けた

｢そうでしたね･･･｣
｢もう･･･。あ、お邪魔してます｣
｢ごゆっくりして行ってください。今日も泊まりますか？｣
｢良いの？友達の家でお泊まりって、あんまりしないから、そういう誘いって嬉しいな｣

もっと言えば、昨日、透くんの家で眠ってしまった事が、初めてのお泊まりだった。その時は実感が無かったけれど、改めて言われると嬉しいものだった

｢じゃあ、泊まっていってください。ハロも喜びます｣
｢やったー。ハロ、今日も一緒に寝ような｣

ハロを抱き上げて、鼻と鼻を合わせて言って、返事をしてくれるハロが可愛くて、抱き締めた

｢あ、でも、服とかどうしよう？｣
｢僕のを貸しますよ｣
｢ありがと。透くんの大きそう｣
｢Aくんも大きいので、大丈夫ですよ｣

とは言うものの、透くんと俺では身長差があった。小さいよりは大きい方が良いかなと思い、特に言う事もなく、透くんの家で過ごした

｢お風呂、お先にどうぞ｣
｢え、それは悪いよ。晩御飯の片付け、俺がしとくから先に入りなよ｣
｢Aくんは、お客様なので、お先にどうぞ｣
｢もぉ･･･。じゃあ、一緒に入れば良いんだよ!!｣

そうすれば良いのでは、と透くんに言う。透くんは驚いたように目を見開いた

｢本当に良いんですか？｣
｢うん？透くんが良いなら、俺は構わないよ？｣
｢では、一緒に入りましょう｣

そういう話になって、晩御飯の片付けを終えてから、一緒にお風呂に入った

お風呂前の所で服を透くんと脱いでいたのだが、どうしても透くんの体に目が行ってしまう

｢どうしました？｣
｢透くんって着痩せするタイプ？｣
｢えぇ？｣
｢何でもそんなに腹筋あるの。腕も割りと筋肉ついてるし･･･｣

普段の透くんからは想像出来ないような鍛えられている体に驚いた。それと自分の体を見比べて見ると情けなくて、溜め息が出てしまう

｢気にしなくても良いと思いますよ｣
｢･･･そう？｣
｢はい。それにAくんは誰かを守った勇気のある小さな体ですから｣

小さな体、という言い方に引っ掛かりを感じたが何も言わないでおいた