検索窓
今日:29 hit、昨日:27 hit、合計:172,076 hit

74 ページ30

「うーん・・・俺からはなんとも言えないかなぁ。俺が知らないのは事実だから」
「そうですか・・・」


昴くんが少し落ち込んだように言ったので、何か力になれる事は無いだろうか、と記憶の中を探してみる


「あ、そうだ。透くん」
「安室さん?」
「そう。透くんなら何か知ってるかも。父さん達と知り合いだって言ってたから」


思い出した事を昴くんに伝えた


「安室さんの知り合い、ですか」
「うん。だから透くんに訊けばって、思ったけど、無理だったかな・・・」
「いえ、ありがとうございます。今度、訊いてみます」
「どういたしまして。じゃあ、俺はもう帰るね」


透くんに会いに行くのだと言えば、昴くんは分かってくれて、玄関まで見送ってくれた。でも、玄関を出た先で、見覚えのある車の後ろの部分が見えていた


「おや、」
「あの車って、透くんの?」
「ですね。行ってあげては?」
「うん。またね」


昴くんに手を振って言い、見覚えのある車に駆け寄った。コンコンと車の窓をノックする


「Aくん?」
「こんにちは。どうしたの?こんな所で」
「ここは寝心地が良いで少し仮眠を」
「そうなんだ。今日は喫茶店は無い?」


透くんが、この時間帯に喫茶店以外にいるのを見るのは珍しくて問い掛けた。それに今日が休みだという事も聞いていなかった


「はい。今日は僕は休みです。言ってませんでしたね」
「ううん、大丈夫。今日は昴くんの家にいたし。透くんは昴くんに用事?」
「少しだけありましたが、また今度にします」


そう言った透くんは家まで送ってくれると言うので、助手席に座らせてもらった


「ハロは元気?」
「元気ですよ。また遊びに来てください。ハロも待ってますので」
「勿論!!毎日遊びたいぐらい」


ハロと遊ぶのは楽しかった。散歩は多分行けないけど、家で遊ぶだけでも毎日遊びたい。うちには犬も猫もいないから、少しだけ憧れている


「今日も来ますか?」
「行っても良い?」
「今日は休みですから。お母さんには僕から連絡しておきますね」
「ありがと!!」


またハロに会える。ウキウキしながら、走る車の窓から外を眺めた。透くんの住むアパートまでは早くて、すぐに着いた


「先に上がっていてください。僕は車を止めて来るので」
「分かった!!」


アパートの前で降ろしてもらい、鍵を受け取った。受け取った鍵を差して、鍵を開けて中に入った


「ハロー、いるー?」


声を掛けながら靴を脱いでいると軽い足音が近付いて来る。室内に入り、近付いて来たハロを抱き上げた

75→←73



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (128 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
306人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。