74 ページ30
「うーん・・・俺からはなんとも言えないかなぁ。俺が知らないのは事実だから」
「そうですか・・・」
昴くんが少し落ち込んだように言ったので、何か力になれる事は無いだろうか、と記憶の中を探してみる
「あ、そうだ。透くん」
「安室さん?」
「そう。透くんなら何か知ってるかも。父さん達と知り合いだって言ってたから」
思い出した事を昴くんに伝えた
「安室さんの知り合い、ですか」
「うん。だから透くんに訊けばって、思ったけど、無理だったかな・・・」
「いえ、ありがとうございます。今度、訊いてみます」
「どういたしまして。じゃあ、俺はもう帰るね」
透くんに会いに行くのだと言えば、昴くんは分かってくれて、玄関まで見送ってくれた。でも、玄関を出た先で、見覚えのある車の後ろの部分が見えていた
「おや、」
「あの車って、透くんの?」
「ですね。行ってあげては?」
「うん。またね」
昴くんに手を振って言い、見覚えのある車に駆け寄った。コンコンと車の窓をノックする
「Aくん?」
「こんにちは。どうしたの?こんな所で」
「ここは寝心地が良いで少し仮眠を」
「そうなんだ。今日は喫茶店は無い?」
透くんが、この時間帯に喫茶店以外にいるのを見るのは珍しくて問い掛けた。それに今日が休みだという事も聞いていなかった
「はい。今日は僕は休みです。言ってませんでしたね」
「ううん、大丈夫。今日は昴くんの家にいたし。透くんは昴くんに用事?」
「少しだけありましたが、また今度にします」
そう言った透くんは家まで送ってくれると言うので、助手席に座らせてもらった
「ハロは元気?」
「元気ですよ。また遊びに来てください。ハロも待ってますので」
「勿論!!毎日遊びたいぐらい」
ハロと遊ぶのは楽しかった。散歩は多分行けないけど、家で遊ぶだけでも毎日遊びたい。うちには犬も猫もいないから、少しだけ憧れている
「今日も来ますか?」
「行っても良い?」
「今日は休みですから。お母さんには僕から連絡しておきますね」
「ありがと!!」
またハロに会える。ウキウキしながら、走る車の窓から外を眺めた。透くんの住むアパートまでは早くて、すぐに着いた
「先に上がっていてください。僕は車を止めて来るので」
「分かった!!」
アパートの前で降ろしてもらい、鍵を受け取った。受け取った鍵を差して、鍵を開けて中に入った
「ハロー、いるー?」
声を掛けながら靴を脱いでいると軽い足音が近付いて来る。室内に入り、近付いて来たハロを抱き上げた
306人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時