検索窓
今日:6 hit、昨日:11 hit、合計:4,672 hit

3 ページ3

これは、僕が折れないといけないらしい


「分かったよ。僕の負けだ。ただ、お風呂には入ってくれよ。あと病院にも行くからな」
「ワンッ」


犬は嫌な顔もせず、案内した風呂場に入って行った。そこで、犬を洗う為にベルトと尻尾についている腕輪を外して、外に出しておく


「じゃあ、流すから熱かったら、何か言ってくれ」
「ワフ」


人肌で熱くない程度のお湯を出して、犬にかけてやる。犬は特に嫌がる素振りは見せなかったので、そのまま洗い流した


「これで良し。ちょっと待ってろ」


タオルを風呂場の前に敷いて、その上に移動させる。犬は大人しくしていて、別のタオルで体を拭いた


「ベルトと腕輪は、寝るのに邪魔か?」
「クゥーン・・・」
「つけてほしいのか?」
「バウッ」


つけてほしいそうなので、ベルトと腕輪を元の場所につけてやった。それにしても、綺麗なベルトと腕輪だ。きちんと手入れがされている


「・・・A?」


ベルトにそんな文字が書かれていた


「バウバウッ」
「もしかして、君の名前?」
「アウッ」


犬は頷いて返した


「なるほど。じゃあ、Aと呼ばせてもらうよ」
「アォーンッ!!」
「こら、吠えるな!!」
「クゥーン・・・」


叱ると申し訳なさそうに頭を落としていた

しかし、名前があるのなら、誰かに飼われていた線が再び浮上して来る。捨てられていたにしては身なりが綺麗だ

つい最近まで飼われていたが、何かしらの理由で、この犬はポアロの前に来ていた。ひったくりを捕まえる為に走って来ていたとは考えにくい


「アゥ?」
「何でもないよ。取り敢えず、君は今日からここの住人だけど、ここは僕の部屋だから、あまり騒ぐのはやめてくれよ」
「バウッ」


言葉が分かっているのか、きちんと返事をした

それにしても、何度見ても綺麗な犬だ


「触っても良いかな?」
「ワン」


承諾と捉えて、体に触らせてもらう。風呂上がりのせいもあってか、ふわふわな触り心地だ。首の辺りを撫でてやるとされるがままで、抵抗はされなかった

犬に視線を合わせるようにしゃがんで、抱き締めながら体を撫でる。犬は頭をこちらに寄せながら撫でられていた

犬の体は、とても温かかった

僕が満足するまで、犬は何もしなかった

ただただ僕に寄り添っていた


「・・・ご飯にしようか」
「ワフッ」


体を離して、犬に言えば嬉しそうに返事をされる


「そうは言っても、犬の食べられそうなものなんて、あったかな・・・」


急な住人の増加で、しかも犬だ


「・・・何してるのかな?」


台所に立っている犬に問い掛けた

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
設定タグ:安室透 , 名探偵コナン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空白可能 | 作成日時:2022年10月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。