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164話 安室side ページ35

その後グラスを見つけ、晩酌を始める



「はーい、注ぎますよ」


「お願いします」



彼女は僕たち二人グラスにバーボンを注いでいく



「それにしても何故、モヒートとバーボン、ジンにお酒を絞ったんです?」



ここにはかなりのお酒があった気がしますが、と沖矢昴が言った



確かに、彼女の家にはかなりのお酒がある



しかも全て組織連中の名前の銘柄だ



「ラベルを見たとき、何だか懐かしい感じがしたんです」



少し哀しそうな顔をしながら言った



「何、言ってるんでしょうね?お酒の名前に懐かしいなんて」



今にも泣きそうな顔をする



僕は彼女の頭に手を伸ばそうとした



でも、改めて自分の手を見る



この手で彼を一度殺めたんだ



そう思うと何も出来なかった



「大丈夫ですよ。いつか理由が分かるはずです」



沖矢昴が彼女の手を乗せ撫でていた



僕には出来ないことが出来る沖矢昴に激しく嫉妬心を出る



「そうです、よね!あ、昴さん。氷とって来てもらっていいですか?」


「構いませんよ」



と沖矢昴は冷蔵庫に向かった。その方向を見詰める



「私は死なないよ」



ぼそりと聞こえた



「氷とって来ましたよ」



でもその声は雑音にかき消された

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作成日時:2017年1月8日 23時

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