おでかけ ／ふくら r ページ13
冬
「ふくらさんー！」
Aちゃんが待ち合わせ場所にちょこちょことやってきた。僕が人差し指を使って「しぃー」とアクションをすると、手で丸を作って「OK！」とウインクした。
「へへ、今日はふくらさんとお出かけー！」
「まあ、買い出しのついでって感じだけどね？」
「ふくらさんから誘ったくせに、そんな意地悪な」
むすっと頬を膨らますAちゃんがどちらかというと妹のようで僕は膨らみを潰して腕を引いた。
「わ、ふくらさんの手冷たい」
「手袋忘れたーっ！」
「わたしもーっ！ 指長！」
「テンション高くない？ いつも見てるじゃん」
「ん〜冬に魅せられてる」
よくわからないことを言っているAちゃんを横目に、友人からもらった映画のチケットをAちゃんに受け渡す。
「前見たいって言ってたやつだ」
「うん、今日は付き合ってもらお」
「うえ〜い」
Aちゃんはもう一度僕の手をぎゅっと握って、人混みに紛れないようにした。
僕ももう一回ぎゅっと握りしめると、先頭を切って人の波に突っ込んで行った。
あったかい、なんて一ミリも思えなかったけれど、
異様にドキドキして頬が熱くなった気がした。
「楽しかった」
「僕も。荷物届けてもらって平気？」
「平気！ 明日必要だもんね」
「うん。お願い〜」
映画も見て、買い出し終わって、ついでにカフェでおしゃべりして
ひたすら遊びまくった僕とAちゃん。
ピロンとスマホの音がなると、「伊沢さんからじゃん」とにやっとしていた。
対する僕は、少しもやもやした。
なんでこんな時に？ とか、僕とお話してよ？ とか、ちっちゃな醜い感情でも、こんな真っ黒いんだね。
僕はAちゃんの手首を掴んで、距離をせめた。
「ふくらさん？」
「ほんと、自覚がない子」
「……今日なんかした？ ごめんねふくらさん」
「……してないよ」
「帰るの寂しいの？」
まったく想定外のことを言われてしまって目をパチクリさせて状況を整理した。
対するAちゃんは本気だったらしく、顔を覗き込んできた。
……恋しているわけじゃない。寂しかっただけ。
妥当なのかもしれないなあ。その理由。
背の小さいAちゃんが背伸びをして僕の前髪をそっと撫でるので、じんと暖かくなる心の内を抑えて、帰ろうとまた腕を引いた。
彼女の腕を引くのは、いつまでできるのかな。
そんなことを思った今日のお出かけでした。
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ぷよーこ(プロフ) - 最初の頃にリクエストした『鶴崎くんのかわいいお話』ありがとうございました。これからも、書きたいものを無理のない範囲で書いていってほしいなと思っています。これからも応援してます(*≧∀≦*) (2019年1月10日 23時) (
レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - そうなんですか…もっと真白さんの作品を見たかったけど、しょうがないですね。 じゃあ…男子たちの取り合いでお願いします。 悲しいけど、私はいつまでも待ってます！ (2019年1月2日 21時) (レス) id: 172f64fb94 (このIDを非表示/違反報告)
もも - あと、私自身がクッキーを作るのにハマっていて… 再びリクエストさせてください… 東大王の男子4人と付き合っていて、カフェを営んでいたら…っていうのか見たいです。よろしくお願いします。 (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 妄想が異常なほどに膨らんでくるww 東大王の男子とデートするの楽しいんだろうな…(リクエストです) 作者さんの小説、大好きです！ *光ちゃんとお話(胸が小さいのがコンプレックスの主人公が相談する) *男子4人に取り合いされる (リクエスト2です) (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも[砂川さん推し] - 東大王の男子との交際秘話では、男子4人が主人公とどこで会ったのか、結婚したらとかそんな感じです。松丸くんのお話では、主人公との交際秘話をひたすら語るというお話です。きっかけとかお互いの好きなところとかを話すという話です。分かりにくくてすいません<○> (2018年12月17日 18時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
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