Aspiration ページ33
「せやから言うとるやん! ウチは成人しとるわ。見た目だけで判断しな、失礼やで!」
「だから身分証見せろっつってんだよ!」
「はぁ? ちょっと調べたら分かるやろ、渡良瀬って起業家で調べてみ!」
「騒がしいわよ、リョウマ君」
「ゲッ……おい前原、お前オーナー呼んだのかよ」
「その方が早いと思ったんだよ」
前原と共に店の前まで出たAに顔を顰める寺坂。確かに誰か連れて来いと言ったけど、まさかトップを連れてくるなんて。
一方寺坂に食い下がっていたのは小柄な女性だった。何やら聞き慣れない言葉を使ってた気がするとAは僅かに首を傾げた。
「訛りかしら?」
「え? あぁ、Aさ、」
「支配人」
「……支配人、関西弁知らないんすか」
前原の言葉を鋭く遮ってから、Aは方言なのね、と納得するが、漸く彼女の姿を見て再び首を傾げた。VIPルームじゃないのもあり、まだ客の事前情報が手元にないのだ。
「……失礼だけど、君、もしかして目が?」
「よぉ分かるな? もしかして、アンタがここの支配人はん?」
杖を持った彼女の目は開かれる事はないけれど、身体の向きはしっかりとAを向いてるのは、音と気配だろうか。五感の一つ失えば、他が鋭くなると言うのは良く聞く話だ。
「ウチは
ここの支配人に勝てば大金稼げるって聞ぃたんや。糸目、と言うか閉ざされた瞳に猫口相まった詩は怪しく笑う。
寺坂はそもそも目が見えない奴をカジノに入れていいものかと悩む。
しかしそんな心配は無用だった。
「……リョウマ君、案内して差し上げなさい」
「ハァ? いいのかよ?」
「ここのトップは私よ」
そう、Aが黒と言えば例え白でも黒な世界。彼女が良いと言った以上、寺坂が渋る理由はない。
「おおおきになぁ、支配人はん」
「えぇ、精々楽しんで」
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
camellia(プロフ) - 葵さん» うぐふっ(謎の声)…………有難いお誘い誠に心苦しいけど今回は見送らせていただきます……バチクソに私事なんだけど50作目にこっち名義で新作出せるように諸々準備中なので、現時点で出来かねるのよ……一連が落ち着いたら参加も考えます(震) (2020年11月12日 22時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - camelliaさん» やった〜〜。頑張った甲斐がある(まだ始まったばかり)。一人完成したら公開って形で順番に書かせて頂く予定なので、遅くなるかもしれませんが……! 何に渋ってるかわかんないけど決心付いたらお気軽にお声がけ下さいね笑 (2020年11月12日 22時) (レス) id: f205b8954e (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 好きです(唐突な告白) いや企画の時点でも相当好きでしたけど!!一気読みして心撃ち抜かれました本当に……。募集企画に興味湧いてきたかもしれない。ほんの手伝いの分際でなんですが彼女の子のお話も心待ちにしております(小声) (2020年11月11日 21時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2020年11月11日 17時