56 : ms ページ8
.
仕事終わり、いつものように携帯を見て、青ざめた。
カバンの中は物をきれいに入れるとか、靴のかかとは踏まないとか、もう、そんなの考えられないぐらい。
こんなに死ぬほど走ったのは久しぶりだと思う。
「こやま......っ！」
「まっすー、......っ、ごめん、俺、」
悔しそうな顔して泣いてる小山を見たら、簡単に涙は流せなくなった。
なぜか、冷静にいなきゃいけない気がしたから。
「てごし...... 急変したの？」
「俺が来る前から、ずっと、我慢してたのかも......っ、」
そうやってまた泣き出す。小山は悪くないでしょ？って聞いたら、
「シゲから聞いてたから、俺も、ちょっとだけ手越に会うのが怖くなって...... だから、来るの遅くなった、俺が悪い......」
シゲから話は聞いてた。全然話してくれないって。
本当めんどくさいんだよ、手越って。あんな強がってるくせに、誰よりも弱いんだから。
それを必死に隠そうとして、いつも俺らのことを突き放す。結局隠しきれなくてバレバレなのに。
「小山、今日は帰ってゆっくり休んで。俺がついてるから大丈夫だよ」
俺が倒れた時、みんなには迷惑かけたけど、今回は俺じゃなきゃいけない気がする。
自惚れだと思うけど、手越のぐちゃぐちゃになった歯車を元に戻せるのは、俺しかいない。
タクシーを拾って小山を帰らせたあと、手越のとこに戻る。
目の前には、たくさん機械に繋がれて、規則正しく呼吸を繰り返す手越の姿。
どうして、こうなるまでいつも止められないんだろう。堪えていた涙が溢れそうになった。
病気のせいだけじゃない。色んなことにストレス抱えて、それを発散させないから、どんどん手越が潰れていく。
「助けて欲しいなら...... 苦しいなら、ちゃんと言えって、言ったじゃん......」
手越がやりたがってたツアーは、衣装デザインだって身が入らないし、打ち合わせだって全然進まない。
まともに意見はしない手越だけど、その存在が大きかったことを、今さら強く実感していた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 335人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーぽん(プロフ) - おくらさん» おくらさん…！どこかでスノの短編リク来てたのに思い出せなくて、やっと見つけました…！しかもおくらさんだったのですね…！余裕がある時書いてみますね！リクエストありがとうございました(*´ω｀*) (2020年3月11日 12時) (
レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
おくら(プロフ) - すみません、NEWSの皆さんの他にもリクエストって、受け付けてますか？もし受け付けてたらで大丈夫なんですけど、今度SnowManの病系短編小説書いて欲しいです！いつも更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: ea02ca27d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 更新楽しみにしてます (2019年11月30日 12時) (レス) id: ebbacb9725 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - nicoさん» こちらこそありがとうございます！オチ見えてないんですけど、気長にお付き合いください(＞＜) (2019年11月15日 23時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - リクエスト書いていただいてありがとうございますー！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: 05c997570a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みーぽん
| 作成日時：2019年10月30日 19時
