ホントの太刀川さん。 ページ30
(風間side)
「課題は終わったか?」
太刀川のもとへ課題の確認をしに戻る。
「全然。風間さん遅かったね」
「ああ、Aと少し喋っていた」
その名前を聞いて太刀川は一瞬、ピクリと反応した。
「へえ……。ていうか風間さん課題手伝ってくんない?」
「自分でやれ。俺は見張りだ」
「忍田さんに怒られる」
「いつものことだろう」
いいからやれと更に太刀川をせかす。
するとしぶしぶと課題に取り掛かり始めた。
こんなのが隊長とは……。出水も大変そうだな。
「Aと何話してきたの?」
課題に目を向けながら話しかけてきた太刀川。
「まあ、いろいろとな」
「教えてくれないのかー……」
一応秘密にしておこうとは思う。
俺は逆に問いかけてみた。
「なんでいつもアイツの相手はしてやらないんだ?一回してやるくらいいいだろう」
ピタリと課題の手が止まった。
「……俺にもいろいろあんの」
小さくつぶやく太刀川。
「今の力量だとお前が確実に、かなりの差で勝つだろう。だからか?」
俺の方をまったく見ずにそいつは話した。再び課題を書く手が動き出す。
「Aは手加減されんのも嫌いなやつだ」
「本気を出したらすぐに勝ってしまう。その差を一度知ってしまったらもう逆にランク戦をAとできない。そういうことか?」
「俺さ、昔結構いたんだよね。そういうやつ。本気出して思いっきり勝っちゃって。そしたらもう相手は俺が誘っても誘っても断るわけ。お前強すぎて勝負になんない。つまんないとか言って」
「だからAの相手もしないのか」
「そう。Aに断られるって辛いし。なんか応えそうじゃん。あのランク戦大好きな奴に断られるのって」
「確かにあのランク戦バカに断られるっていうのも想定外すぎて逆に応えそうだな」
俺はアイツはどんな負け方をしても太刀川とのランク戦をやめるなんてことはないと思うがな。
そしてもうひとつ。
「辛い理由はそれだけか?」
今度はペンを落とした。
「風間さんさ……、確信犯な訳?」
少しだけ耳が赤いのがこちらからもわかる。
「どうだろうな」
「風間さんそんなに鋭い人間だった?」
「お前が比較的わかりやすいんじゃないのか?」
「え、マジで」
まあこの反応なら答えを聞かなくともわかるだろう。
あんなのは余計な心配だがな。
まったく……、太刀川は本当に面倒だな。
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陽由(プロフ) - イザナミ姫さん» ありがとうございます!双葉ちゃんの可愛さ伝わってたみたいで良かったです!これからもがんばります! (2015年8月27日 22時) (
レス) id: 912615e0b2 (このIDを非表示/違反報告)
イザナミ姫 - 面白い！！双葉ちゃん可愛いですねえ！！更新待ってます！！ (2015年8月24日 18時) (レス) id: 87ed36dc48 (このIDを非表示/違反報告)
陽由(プロフ) - 招き猫の子孫さん» ありがとうございます！これらもがんばります！ (2015年8月13日 12時) (レス) id: 912615e0b2 (このIDを非表示/違反報告)
招き猫の子孫(プロフ) - 夢主ちゃんがすっごく可愛いです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2015年8月13日 6時) (レス) id: a614ea2c00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽由 | 作成日時：2015年8月13日 2時
