観音坂の.....？入間さんの....？

独歩side ページ11

中継が終わり俺は急いで一二三に電話をかけた。


独歩「一二三観たか？！」

一二三『見た見たー！』

独歩「気づいたか…？」

一二三『…？』

独歩「Aの目は薄い水色だ。だけど今日の発表の時のAの目は赤かった…」

一二三『あぁー！確かに！』

独歩「ということはだ、少なからずAは中王区になにかされているのは間違いない」

一二三『そんな…！』

独歩「それに纏っている雰囲気も違かったら気がする…」

一二三『Aちん危ねぇじゃんか！』

独歩「そうだ…だから今回のラップバトル、絶対に俺たちが勝たなきゃいけない…」

一二三『だな！』

独歩「とりあえず、それだけだ。じゃあな」

一二三『おう！』


一二三との電話が終わり事務所に戻ると中王区の中継を見た社員たちが一斉にこちらを見た。


社員「あれって…観音坂って言ってたけど観音坂さんの妹とかだったりする…？」

独歩「っ…。はい、俺の妹です」

ハゲ課長「なんてことだ！観音坂くん！君の妹は中王区の党員なのか！なら今の政治を何とかしてくれとか少しは言えないのか？！」

独歩「それは…」

社員「そうですよ。妹さんがそこに居るならラップバトルしなくてもいいし今の政治何とかするように頼んでくださいよ」

社員「妹さん、お兄さんが苦しんでるのに中王区にいるなんて」


俺の中で何かが切れる音がした。


独歩「俺の妹を悪く言わないでください！！妹はそんな人じゃない。誰よりも辛い思いをして誰よりも優しい子だ!!!妹は無理矢理中王区に連れていかれたんだ!!!なにも知らない癖に勝手なことを言わないでください」


妹は、Aは何も悪くない。

俺だって辛い。

それを理由に俺は昔Aを傷つけてしまった。
Aの拠り所は俺だったのに。

虐待のとこも気づけなかった。

こんなダメな兄ちゃんなのにAずっと笑顔だった…。

1番辛いのはAのはずなのに…。

誰よりも優しかった…。


Aが何をしたって言うんだ？
誰よりも辛い思いをしてきてるのに…
誰よりも優しいのに…


なんでAにばっかりこんな目に合うんだ…

前日→←Not side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す