067 迷わせないで ページ23
最初に狙われたのは今剣だった
初撃は回避できたが、そのすぐ後に繰り出された2撃目に反応できずに胸に大きな傷を負う
それだけで重傷になったことは誰が見ても分かることだった
アスナ「今剣くん!」
アスナが今剣のところまで駆け寄り、横たわっている彼の傷を診る
彼の胸には、ほぼ真横に傷が入っている
幸い心臓は斬られなかったようだが、すぐに手入れをしなければならない
アスナ「こんのすけっ!」
こんのすけ「はいっ」
何もない所からドロンと出てきたこんのすけは一瞬で状況を把握し、今剣を帰城をさせた
あとは、本丸にいる男士たちが何とかしてくれるはずだ
青薔薇は剣に付着した血を振り落とすと、標的を視線で定めた
三日月「っ……」
天下五剣の1振は、その視線だけで冷や汗が垂れるのをありありと感じた
騎士は右手に剣を持ったまま、左手を前に突き出す
「システム・コール」
無慈悲で、凛としたその式句に続いて、熱素を生成、変形し、放つ
それを金木犀が凍素で相殺する
しかし、そこで一安心と言う訳ではなかった
対の関係にある
闇素はより天命の多いものに集まる習性がある
いまこの部隊で最も天命、つまり生存の値が高いのは――
夜空「白山! それから離れろ!」
白山「っ!」
白山は、流石と言えるほどの反射神経でそれらを何度も避け続け、夜空が光素によって闇素を相殺した
そこで一度攻撃を止めた騎士は、感情のない表情で口を開いた
「なるほど。貴方達の覚悟は認めましょう
……その覚悟に免じて、これ以上何もしないというのならここで見逃します」
夜空「ここまで来て逃げろっていうのか!? 目の前にお前がいるってのに……!」
夜空はそこまで言うと、何かに苦しむかのように顔を歪めた
「っ!!」
青薔薇はそれを見て息を呑んだ
――私は、最近その表情を見た
ユージオ、なのか?
そう、それはキリトの表情だった
手を伸ばせば届く距離に大切な人がいるのに、どうやっても触れることは出来ない、もどかしさをした表情
「……っこれ以上、私を迷わせないで」
青薔薇はそれだけ言うと、剣を地面に突き立てた
俯いたまま神聖術の起句を唱える
金木犀「A!」
「っエンハンス・アーマメント!!」
途中の式句は心意で省略して、最後の句を叫ぶように唱えると、氷が男士達を拘束していった
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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつもいつも楽しみにさせて頂いております!これからも更新頑張ってください! (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白(あきら) | 作成日時:2019年10月13日 2時