047 兄弟 ページ3
翌日
私は、白光を隊長とした、一期さん、鯰尾くん、信濃、前田の部隊で時間遡行軍をばったばったと倒していた
ちなみに、短刀達を呼び捨てにしているのは、彼らが私を姉だと思っているからだとせがまれたからである
そして、戦闘が終わった頃
白光「これで、この時代にいる敵は全て倒したはずです」
信濃「わー! 疲れたぁ!」
一期「お疲れ様。本丸に戻ったら、主が作った焼き菓子を食べよう」
鯰尾「それ良い! 早く帰ろー!」
前田「ま、待ってください! 僕も食べたいです!」
緊張感から解放された粟田口の5人は、鯰尾くんを先頭にして帰り道を歩き出す
私はそれを見ながら後ろを着いていく
鯰尾「兄弟とも一緒に食べたいなあ」
「っ……」
«兄弟»
その言葉は、私の胸を苦しめる
どうしても、ユージオ様の事を思い出してしまうからだ
ルーリッド村で、羊を飼っていた家の一番下の子として産まれたユージオ様
面倒を見てくれたのは姉で、兄達はユージオ様をよく思っていなかった
そんな状況の中で、幼馴染みのアリス様を失ったユージオ様の心の傷は、やっと人間の身体と心を持つことが出来た私では到底計り知れないだろう
「ユージオ様……」
無意識の内に呟いた言葉は、数メル先にいる5人にも届くことなくどこかに消えた……
『A』
「っ!?」
筈だった
――確かに今、ユージオ様の声が聞こえた
周辺をキョロキョロと見回すと、ユージオ様は、私の後ろに立っていた
「っユージオ様……?」
『A、僕と一緒に行こう』
亜麻色の髪を風に遊ばせながら、ユージオ様は私に手を伸ばす
「でも……私、本丸に戻らなくちゃ」
『大丈夫。少し寄り道するだけだよ。さあ、行こう』
本丸とは違う香りの風が通り過ぎて、
「……はい」
私はユージオ様の手に自分の手を重ねた
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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつもいつも楽しみにさせて頂いております!これからも更新頑張ってください! (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白(あきら) | 作成日時:2019年10月13日 2時