教えてやる。1 李牧 ページ6
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「カイネ、この間告白された人に今から会いに行くんだけど…。」
李牧様の用で市に買い物に何度か足を運ぶうち、店の主人の息子に「一目惚れしました」と告白された。突然の事に驚いた私はその場で断る事が出来ず、また改めて返事に来ますと告げ帰ってきた。
幼少の頃から李牧様に仕え、どんな些細な事でも報告しなさいと言われていたのに…。
この事は告げていない。
「ごめんカイネ。後ろ髪纏めるの手伝って」
肩まである髪を束ねてもらおうと椅子に座り、鏡に映った相手に思わず息を飲んだ。ずっと自分の後ろにいるのはカイネだと思い、話していたのだから。
「身支度をして、どこに出掛けるつもりですか？」
「それは、その…。」
「では、質問を変えましょう。今から"誰に"会いに行くんですか？」
優しい声色と丁寧な言葉遣い。いつもと同じようでも、李牧様の目は笑っていなかった。
「カイネと一緒に行動していれば大丈夫だと、そう思っていたんですが…。」
「大丈夫とは、どういう事ですか？」
「鈍いAには分からないと思います。私がなぜ一人で貴女を外に出さないか。私がなぜいつも貴女を側に置いておきたいのか」
「私が頼りないからではないんですか…？カイネや傅抵のように優秀ではないですし、取り柄という取り柄もなく、」
「確かに、Aにはカイネのような策に秀でた部分はありません。傅抵のように武の才がある訳でもない」
自分でも痛いほどわかっている。だからこそ慕っている李牧様に面と向かって言われるのは辛い。
必要とされていないようで…。
身寄りのない私を育ててくれた李牧様に少しでも恩返しがしたい。でも、いつも危険だからと戦場に連れて行ってはもらえず、一人皆の無事を祈ることしか出来ない。
李牧様の側にいられるカイネが羨ましい。
「私は何の為にここにいるんでしょうか…？李牧様の役にも立てず、私がここにいる意味は、」
「だから、名も知らぬ男の告白を受けにいくと？」
「断るつもりですが…。もし、李牧様がそうしろと言われるのでしたら…。」
「愚問です」
「え、」
「貴女はいつも私の側にいて、私が貴女だけにかける言葉を全く理解していない。鈍感さもここまでくると逆に腹立たしくなります」
バンッ、と私の顔横の鏡に、李牧様は手をついた。その衝撃に鏡が割れるのではないかと驚いた私に「目を逸らすな」と顎を持たれた。
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まどか - 本編のほうのパスワードを教えてください。 (2022年8月3日 18時) (
レス) id: 424ebb80af (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ(プロフ) - 唯一無二の貴方２がみたいのでパスワードを教えて下さい。 (2022年7月30日 19時) (レス) id: 42086511e3 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - あおさん» リクエストありがとうございます。那貴は今まで書いたことないキャラです。大人な雰囲気があって格好いいですよね。余り感情を表に出さないキャラだと思いますが、主人公と二人きりだとデレてくれたら…そのギャップに萌えそうです笑。番外編で待ってくださいね！ (2020年3月5日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。遅ればせながらbluemoon様の作品を楽しみに日々生活させて頂いております！リクエストさせてください！大好きな那貴のお話書いていただけたらな、、と思っております！是非お時間あればお願いしたいです^_^ (2020年3月5日 1時) (レス) id: 78f704a63d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - とりけらとぷすさん» 私も輪虎は書いていて楽しいキャラでもあります。無邪気で子供みたいな性格が可愛いなと想像しながら、毎回書かせていただきました。リクエストありがとうございます！番外編2の方でお話しを書きたいと思います。待っていてくださると嬉しいです(^-^) (2020年2月19日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年7月20日 9時
