優先。1 バジオウ×シュンメン(リク) ページ43
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「バジオウさん…今日はゆっくり出来るんですよね?」
「ああ」
寝台に胡座をかいているバジオウさんの膝の上に乗っている私を、バジオウさんは後ろから抱きしめては首筋を舐め、その部分を音を立てきつく吸ってくる。
「ん…っ」
「A…顔が赤いな」
「それは、バジオウさんのせいじゃないですか…!さっきからずっとこのままで、いい加減その…、」
「どうした?」
どうしたって……早く抱いて欲しいとは、恥ずかしくてとても自分からは言えない。
山の民であるバジオウさんの元に嫁いできて半年。
初めは聞き取りにくかった言葉も、今では普通に会話が出来て日常生活には困らなくなった。
出会った当初から比べると凄い進歩だと思う。
「俺にどうされたいか言ってみろ?」
「……久しぶりなのに、意地悪しないで下さい」
私をからかうようなバジオウさんの態度に、プイッと頬を膨らませ顔を背ければ後ろから笑う声。文句を言ってやろうと振り向いた私の顎を掴み、舌を差し込んでの深いキス。
このキスが好き。
熱く湿った舌が生き物のように口内を激しく動いて、何も考えられないぐらいにトロトロに心も体も溶かしてくれる。
「バジオウさん…っ」
逞しい胸板に手を這わせ、呼吸荒くバジオウさんの名前を呼ぶ私を、バジオウさんは優しい表情で見つめる。
「今日はお前から攻めてみるか?」
「私から…?」
「俺の体をどう扱おうがお前の自由だ。好きなように動いてみろ」
好きなように…?
そう言われてもどうすればいいのかと焦る。いつもバジオウさんに成されるがままで、自分からと言うのは。
「っ…!?待ってっ」
考え込んでいる私にバジオウさんは待ちきれないのか、服の隙間から手を入れて私の胸へと触れてきた。
「時間が惜しい」
「そうですけど…、あ、でも今日はゆっくり出来るって、」
「おーい、バジオウ。端和様が呼んでるぞ」
ノックも無しに部屋に入ってきたシュンメンさんが、私とバジオウさんを交互に見て悪かったと一言。悪かったと言う前に後ろ向いて。私…バジオウさんに服を脱がされて、上半身裸の状態。
「シュンメン…貴様殺されたいようだな」
「は?何で?」
「Aの裸を見た。理由はそれで十分だ」
言い争う二人を横目に、私は素早く服を着ると深いため息をついた。
最近のすれ違いの原因は楊端和様。バジオウさんは、楊端和様の事をどう思っているのだろう。
私よりも優先される事に、ズキッと胸が痛んだ。
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まどか - 本編のほうのパスワードを教えてください。 (2022年8月3日 18時) (レス) id: 424ebb80af (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ(プロフ) - 唯一無二の貴方2がみたいのでパスワードを教えて下さい。 (2022年7月30日 19時) (レス) id: 42086511e3 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - あおさん» リクエストありがとうございます。那貴は今まで書いたことないキャラです。大人な雰囲気があって格好いいですよね。余り感情を表に出さないキャラだと思いますが、主人公と二人きりだとデレてくれたら…そのギャップに萌えそうです笑。番外編で待ってくださいね! (2020年3月5日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。遅ればせながらbluemoon様の作品を楽しみに日々生活させて頂いております!リクエストさせてください!大好きな那貴のお話書いていただけたらな、、と思っております!是非お時間あればお願いしたいです^_^ (2020年3月5日 1時) (レス) id: 78f704a63d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - とりけらとぷすさん» 私も輪虎は書いていて楽しいキャラでもあります。無邪気で子供みたいな性格が可愛いなと想像しながら、毎回書かせていただきました。リクエストありがとうございます!番外編2の方でお話しを書きたいと思います。待っていてくださると嬉しいです(^-^) (2020年2月19日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年7月20日 9時