103.久しぶり。 ページ5
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紀元前245年。
秦と魏の国境の地「榮陽」をめぐる争いは激化。黄河沿いにある榮陽は魏の玄関口であり、両国にとって最重要な拠点の一つ。魏は後方より三軍を集結。秦も各地域の軍を結集しながら、榮陽を目指す。規模は両国ともに15万強。
この年、最大の戦に信と異世界からきた少女の初陣が始まる。
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「あの突然…すいませんでした」
「いや、まぁ驚きはしたが。A殿らしいと言えば、そうらしいかな」
「私らしいですか?」
「大王様がA殿が此度の戦に首を突っ込まなければいいがと、心配していたが…。こうも見事に王の予想が当たるとは」
苦笑いを浮かべて私を見る壁さん。千人将の位に昇格し、前に会った時よりも大将としての風格と言うか。さらに男らしくなった気が…。
千人を束ねる将だもんね。
当たり前と言えばそうだけど。
「それにしても、父上である王騎将軍が戦にでるなどよく許したな」
「よくと言うか…。私の体を交渉に使ったと言うか」
「なっ…なんと申した?体を使った?まさかA殿と王騎将軍は!?」
「まだ何もしてませんっ!!」
テント内に響く壁さんの声以上に、私は真っ赤な顔をして大声で叫んだ。外でバタバタと逃げて行く足音が聞こえる。多分、女の私が壁さんを訪ねてきた事で私と壁さんの関係に、皆興味がある様子。
盗み聞きをしていたのがバレないようにここを離れるつもりが、しっかり足音は中まで聞こえていた。
「まだとは…?なんとも意味深な。そう言えば、昨日私の元に王騎将軍とA殿が訪ねてきた時も、王騎将軍の様子が何やら可笑しかったような気が。やけに上機嫌で、A殿を見る視線がなんともイヤらしく欲にまみれていると言うか」
「壁さん。その悪口父上に告げ口しますよ」
「こ、これは言葉の綾で!すまない…。」
「冗談です。父上には言いません。でも…壁さんの読みはあながち間違っていないのも事実ですから…。」
ため息を一つ。
私は戦に出る為の咄嗟の判断として父上に提案した"賭け"を、思い出していた。
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bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか?すごく面白くて一気読みしてしまいました! (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ!体調大丈夫ですか?心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています!ゆっくり休んでくださいね! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます!更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年6月9日 7時