131.理性崩壊。 政side ページ33
.
信達の面倒は他の者に任せるからと、心配せず休めとAに言ったのは数刻前。与えられた部屋で気持ち良さそうに寝息をたてているAの寝台にそっと俺は近づいた。
「A…。」
名を呼び優しく手で髪を撫で、柔らかな頬にキスを落とす。久しぶりに会ったAは、また綺麗になっていた。幼さはあるものの女性としての色気、体つき。
前に一度抱こうとした時から数ヶ月。
その間の瞬間瞬間を、Aの成長を側で見れる王騎に嫉妬の念を抱く。
「……父…上…。」
寝言で側にいない相手の名前を呼んでは、その温もりを探してさ迷う手を掴めば。安心したような表情を浮かべるAに、何かが音を立てて壊れる気がした。
それが何かと理解した時には遅い。
Aの服から覗く白い肌に残された赤い印をみた瞬間、理性など何の意味も持たなかった。
寝ているAの服に手をかけ乱暴に脱がせば、至るところに残された印。自分のモノだと見せつけるかのよう。
「……政…?」
状況がわからないAはゆっくりと目を開け、周りを見回した。
「えっ…なに、」
「王騎に抱かれたのか?」
「それは…。」
俺の質問にAはバツが悪そうに目を逸らした。
肌を隠すよう服を直そうとする手を掴み、強引に唇を合わせる。
「やめ…てっ…、」
「俺に抱かれるのは嫌か?無理強いされて王騎に抱かれたのなら、」
「違う……。」
「違う?」
「……私がそうして欲しいと父上に」
「それがお前の答えか?」
「答え…?」
「王騎の元へ行く前に告げただろう。次会うときには、お前の気持ちを聞かせてくれと」
俺の思いを知っているなら、これから俺がお前に何をしようとしているかわかる筈だ。例え俺に気持ちがなくても、俺がお前を抱いたという事実は消えない。
きっとお前は奴に抱かれるたび俺の事を思い出すだろう。少しでも俺の存在を意識させる為なら手段は選ばない。
嫌がるAを力で押さえつけ、無我夢中で欲望のままに抱いた。
目が覚め隣で寝ているAに触れようと手を伸ばせば、そこに彼女の姿はなかった。
794人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか?すごく面白くて一気読みしてしまいました! (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ!体調大丈夫ですか?心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています!ゆっくり休んでくださいね! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます!更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:bluemoon | 作成日時:2019年6月9日 7時