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127.新たな刺客。 ページ29

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一度は戦場を共にした仲間。羌瘣が何の目的で魏の戦に参加したのかはわからない。でも、羌瘣の機転によって救われたのは事実。戦車隊を討つ作戦も、敵に囲まれた時仲間を救ってくれた時も。

なぜ今羌瘣が刺客として政の命を奪いにきたのだろう。

口では自分の邪魔をする信を何度も殺すと言っているのに、攻撃はどれも浅く致命的な傷を与えるものではない。信が未だ倒れず羌瘣に立ち向かっているのが、その証拠だ。


「お前如きに…蚩尤の何がわかる」


感情を表に出さない羌瘣が、「寝込み襲う刺客なんてしみったれたものやってる場合じゃねェ」と信の放った言葉に声を荒げた。振り下ろされた剣を防御したものの、信は弾き飛ばされた。


「蚩尤…。」

「政、知ってるの?」

「王だからな。自然と全土の刺客族の報告は入ってくる。……だが妙だな。蚩尤は今、魏にいるということだったはずだが…。」


政は何かを考えているのか、そのまま押し黙ってしまった。蚩尤とは何か、羌瘣とどんな繋がりがあるのか。聞くタイミングを逃がした私は目の前で戦っている信と羌瘣に、再び視線を向けた。

素早い動きで攻撃を仕掛けている羌瘣が、時折息を吐いては呼吸を整えまた攻撃を繰り出す。


「何だ。お前やっぱ息上がってんじゃねェか。言っとくが、俺はまだまだ全然だ」


信の挑発にも羌瘣は動じない。

だが、スピードも羌瘣の剣を受け止めるのも、信が追い付いてきている。それが、羌瘣の呼吸と関係あるとするなら。

勝機はゼロではない。
このまま押しきれればどこかに隙が生じて…。


コツコツと部屋に響く足音。
二人に気をとられて他に仲間がいたことを忘れていた。

近づいてくる刺客に短刀を握る手にも力が入る。


「何かガキばっかいるぜ。どれが王だ?」


聞こえてきた声。
それは、羌瘣と一緒に現れた刺客の声ではなく。

全くの別物だった。

128.援軍。→←126.倒れる訳にはいかない。 信side



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bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか?すごく面白くて一気読みしてしまいました! (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ!体調大丈夫ですか?心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています!ゆっくり休んでくださいね! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます!更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年6月9日 7時

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