118.余韻。 ページ20
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「父上…。」
私を抱きしめたまま寝息を立てている父上の頬に手を添え、そっと名前を呟く。喉の渇き、倦怠感、腰の痛み。体に散らばったキスマーク。
夢じゃなかったんだ…。
父上に抱かれたこと。父上に愛されたこと。
政や信にも好きだと言われた事はあった。
でも、父上に言われた時のようには感情が揺れ動かない。政や信にも同じように命を救われた事はあったのに、どうして父上だけにこんな思いを抱いたんだろう。
どうして好きだと自覚したんだろう。
「父上………王…騎…」
「何ですか?A」
「え、父上起きていたんですか!?」
「勿論です。昨日の余韻を忘れたくないですからねェ」
「起きているなら言って、」
抗議する私の唇にチュッと軽いキス。そんなことされたら、言い返すことができなくなってしまう。
「もう終わりですか?言いたい事があるなら言ってもいいですよ。但し、また私の唇で黙らせますけど」
「……父上の意地悪」
「好いてる相手には意地悪したくなるものです」
私の髪を優しく撫でていた父上の手が頬を撫で、首もと、鎖骨、胸へと下りてきた。
「…父上っ!」
「まだ物足りない。途中で意識をなくしてしまったの覚えていないんですかァ?」
「それは…。」
「もっと、止めないで、と私の肩に腕を回して可愛い声でねだってきたのに」
「してませんっ!」
「本当に?」
「……多分…してません…。」
強く言えないのは何も考えられないぐらい気持ちよくて、自分でも想像できない甘い声が漏れて、その過程で本当に父上の言うように私が催促していたとしたら。
赤くなった顔を見られないよう、敷布を頭から被った。
「A、昨日よりもっと快楽を味わいたくないですか?」
「いやっ…無理です…。」
「素直じゃないですね。言葉では拒否しても、体は…正直だと言うのに」
布越しに下腹部を撫でられると、体の中心が熱くなって濡れてくる。
「満足するまで付き合ってもらいましょうか。体が私のモノを、形を、忘れないように。Aの体に教えてさしあげます」
言葉で攻められれば、また愛して欲しくて。
受け入れるように、父上に向き合った。
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bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか?すごく面白くて一気読みしてしまいました! (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ!体調大丈夫ですか?心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています!ゆっくり休んでくださいね! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます!更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年6月9日 7時