296.決戦の十五日目まで。1 ページ8
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秦軍に軍配が上がった初戦から二日目。
戦場に大きな動きはなかった。
臨武君の弔い合戦にしては規模は小さく。楚軍の大将の姿は見えない。突撃してくる楚軍は一軍のみで、その戦い方は無謀なものだった。策など講じずただがむしゃらに突っ込んでくる姿勢に、騰さんは無言のままでそれを見つめている。
「どういう事なんでしょうか？」
「Aはこの光景を見て、どう思う？」
「私ですか…？」
話を振った私の方が逆に質問され、答えの用意していなかった私は返答に困った。
昨日は夜、楚陣営に見えたのはいくつもの巨大な煙火。遠く離れた位置からも聞こえる楚軍の兵達の声。「秦軍に死を」と叫ぶ声が谺して、臨武君さんが抜けた損失は計り知れない。当然全軍を上げて戦を仕掛けてくると思っていた。
「楚軍の意図はわかりませんが…。でも、異様な感じはします。昨日の事があるなら、」
「なるほど。昨日と言えば、私もAに聞きたい事がある」
「何ですか…？」
「嫁入り前の娘が朝帰りとは。私は許した訳ではないが」
「それは…、」
「相手は蒙家と王家の嫡男のようだな。だが、可愛い愛娘をそう簡単に渡す訳にはいかない。その時が来るまでは、父である私の元にいろ」
わかったなと言われ、断る理由も思いつかない私はとりあえず頷いた。
昨日の一件はお酒のせいとは言え、自分にも責任はないとは言えない。細かな詳細を聞いた訳ではないけど、王賁さんと蒙恬さんと一夜を共にしたことに変わりはなく。二人の私に接する態度は、前よりも積極的になった。
蒙恬さんはあまり変わりないように見えるが、それとなくスキンシップが多くなったし。王賁さんに関しては…嫉妬心と独占欲が強く、さらりと吐く台詞は赤面もので。
だから、王賁さんの天幕を慌てて逃げ出してきたんだった。
「先の見通しが分からない戦ほど、不気味なものはない。裏で糸を引いている人物は…相当な手練れかもしれんな。密かに好機を窺い、一気に押し寄せるタイミングを狙っている」
一気に押し寄せる…。
楚軍でも手一杯の状況。六国が大きなうねりを伴い、同じタイミングで秦国に攻め入るとするなら、それは脅威でしかない。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
