332.想い人。 政side ページ45
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泣き腫らした目で俺の隣に眠るAの頬を撫でていると、開く扉。
「生きてっかー？」
「信か…。」
「人が心配して来てやったのに…同じ寝台で寝てるとか…。」
「俺の温もりがあるとAは眠れるようだ。最近は…無理ばかりさせていたからな」
「あー、そうですか」
ムスッとした信は側に置いてある椅子に静かに座った。
粗暴な信でも、どうやらAを起こさないようにする配慮はあるようだ。でも、Aを見つめる目はなんとも言えない表情をしていた。
慕う女が、他の男と寝台を共にしている。
妬かない訳がない。
暫くぶりの静寂。信からは俺の居場所は別の場所にあると、軍師である介億の計らいにより、集まった民兵は偽の居場所で騒いでいるらしい。敵の夜襲も今日は聞こえない。向こうも向こうで明日の戦の準備をしているのだろう。
こうなった以上、敵は…李牧は俺の存在に気づいている筈だ。この好機を逃してなるものかと、必ず俺の首を狙ってくる。
「そういやお前子供が生まれるんだってな」
「ああ。相手は向という宮女だ」
「へ？……マジかよ。ブッハハハハ、マジでウケる。あの地味な娘だよな？」
「お前…笑いすぎだ…。」
「へぇ、そうか。政もやる事やってんだな。まっ、これで綺麗さっぱりAの事は諦めろ。妻子持ちのお前じゃ…Aもなにかと、」
「諦めろとは、異な事を言うな。王の立場であればより多くの子を成すことも大事な責務だ。Aは話のわかる女。俺の事をよく理解してくれている。ゆくゆくはAにも俺の子を生んでもらう」
俺の為だけに集められた何千人もの宮女。
俺の子を生むためだけに全国から集められた。
だが、一番欲しい女はそこにはいない。
本気で欲しいと思う女はAだけ。
「はいそうですかって、こればっかりは…な。政を王にする為なら俺はなんでもするつもりだ。ここに来るまでにも色んなもん失ってきた。やり場のない思いもたくさんしてきた。だが、Aだけは……政の為だからと譲りたくねェ。俺にも必要な女だから」
「お前を慕う女がいない訳ではないだろうに…。」
「うっせぇな…。いいか、俺だってAを抱きてェのにな、」
「ん……信…？あれ、私寝てたの…。」
「まだ寝ていろ。夜明けまでには数刻ある」
体を起こそうとしたAの温もりが恋しくて、ここにいろと俺は手で制した。
333.気づきたくない。 信side→←331.言葉のもつ力。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
