291.大人の余裕。 ページ3
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「咸陽では、どのように過ごしていた？」
「特別な事はなにも。本を読んだり、時々稽古をしたり…。」
「成る程な。殿の邸に居たときとそう変わりないようで、安心した。では、男方面はどうだ？」
「な、なんでそんなこと聞くんですか！？」
「お前の父親として当然の事だろう。良からぬ男にタブらかされて…、いや、お前の方がタブらかせているのか」
「人聞きの悪いこと言わないで下さい！それに父親ってなんですか！」
父上の亡き後の見届け人だと聞かされて、はいそうですかと直ぐに返事を返す事はできない。確かに大人の風貌やら寛容さはあるかもしれないけど…。
それとこれとは別で。
「それより、騰さん出て行って下さい…！」
「今さら隠す必要もないだろう」
「大有りですから！」
杯を片手に私の着替えをじっと見つめている騰さん。突然天幕へと入ってきて、当たり前のように居座って。で、当の私は慌てて着替えを中断したものの、敷布で前を隠し、背中は丸見え。
「前にも思った事だが、女は男を知るとより妖艶で綺麗になる」
「なっ、何ですか！？」
ギシッと寝台が傾き、後ろから抱き締められた体。甲冑を身に付けていない騰さんの逞しい胸板を、背中に感じる。耳元にはお酒の香りと、熱い吐息。
「…っ、騰さん酔ってますよね？」
「これぐらいで酔ってなどいない」
肩を撫でていた手が腕を伝い落ちてきて、腰部分を優しく撫でる。触れられた場所が頬が、熱を持ったように熱い。大人の色香に酔ってしまいそう。
「A…。」
低い声が鼓膜を刺激して、体から力が抜ける。どんな風に触れればいいのか、大人の余裕というか。羞恥に俯くしかない私の背中を熱い舌が這う。
「…っ…んっ…。」
「可愛い反応をするんだな。それに、声も」
本気なのか冗談なのか、顎を掴まれて触れた唇。二度目の口付けを止めたのは、外から聞こえてきた蒙恬さんの声だった。
「Aちゃんいる？俺と王賁と一緒に飲まない？入ってもいいよね？」
「蒙恬さんちょっと待って――」
バッと勢いよく開いた幕に、私と騰さんを見て蒙恬さんの見開く目。
説明しろと言わないで。
むしろ、王賁さんには言わないで。
と、言い訳を考える私に。
「久しぶりに抱いてやろうと思ったのだが、邪魔が入ったみたいだ」
久しぶりって、騰さんは涼しい顔で嘘を吐いた。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
