10.約束。 ページ10
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「こんなとこで何してんだよ？」
「信…。」
「昼間の一件で眠れないんだろ？」
「漂…。」
寝付けない私は、二人を起こさないよう納屋をこっそり抜け出して夜風に当たっていた。私の姿がないことに気づいた信達が探しにきてくれたみたいだ。
「不安なのは俺も同じ。でも、こんなチャンス二度とないかもしれない。夢に近づく大事な一歩を、無駄にはしたくない。共に夢を語り競ってきた信には悪いが、」
「俺を気遣う言葉は止めろってさっき言ったばかりじゃねェか。夢の為に行くんだろ？」
「それじゃ漂は昌文君さんの申し出を、」
「ああ。受けることにした」
悩んでいた表情から一転。決意を固めた漂は清々しいほど輝いて見えた。夢の為とは言え、苦楽を共にしてきた信を思えば非情にも思える決断。その背を行ってこいと後押しできる信の寛容さ。二人の絆は、揺らぐことない強い思いで繋がっている。
神様に記憶を擦り替えられ、実際には存在していなかった私を受け入れてくれた信や漂。そして、里典さん達。この場所じゃないとこで目覚めていたなら、もし戦場で目覚めていたなら。とっくに私の命は尽きていた。
「私の側にいてくれてありがとう…信、漂」
「なんだよ急にお前まで…。最後の別れでもねェのに」
「わかってるっ…！わかってるけどっ」
視界が揺らいでポロポロと頬を伝う涙。僅かな時間しか共に過ごしていないけど、頼る人もいないこの世界で私に色々な事を教えてくれた信。いつも優しく見守ってくれた漂。
これからは三人がバラバラの道を歩まなければならない。
辛くても楽しいことがあっても、今までのように肩を寄せ会うことはないんだ。
「泣くなよ。お前が泣くと俺まで、泣けてくるだろうがっ！」
「A心配するな。俺も信も行き着く場所は同じ。必ずお前を迎えに行くから。それまで待ってろ！」
この日約束した事が叶うことはないと。
三人が再会することは二度とないと、私が知るのはそう遠くない話。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
