36.前へ。 信side ページ36
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……何だこいつ？
顔に施された刺青。奇妙なかっこして、刺客にしては全く強そうに見えねェ。体も小さェし、剣も持ってねェ。何よりも黒卑村で襲ってきた頭巾野郎のような圧力を感じねェ。
そう高をくくっていた。
だが、蓋を開けたらどうだ。さっきまで何も感じなかった奴の殺気が、ビリビリと身体中を駆け巡る。それに厄介なのが、攻撃として使ってくる奴の毒矢。近付こうにも、奴の間合いに入ろとする隙を狙って撃ち込んでくる。
スピードなら負けねェと思ってた。
額から流れ落ちてくる鮮血。体に出来た無数の切り傷。
違う。
速さも、戦闘経験も奴は俺よりも格上。
「手が必要か？」
「なわけねェだろ！」
肩で大きく息をする俺を見て、政が言う。
「こんなところで負けるようじゃこの先、いくつ命があっても足りないぞ。信」
「その通りだ」
だからお前は、そこで涼しい顔して高みの見物してろよ。こんな奴俺一人で十分だ。
前以上の殺気が辺りを包む。
来る…！！
攻撃の応酬に防戦一方の俺は、手が出るところか。ジリジリと後ろに追い詰められた。寸での所で奴の攻撃の鉞を剣で防ぐが、その勢いのまま弾き飛ばされる。
「信っ！！」
Aの俺を呼ぶ声。
くそっ、勝機がみえねェ。このままじゃ殺られる。
「退がるな信っ！！不退こそが、お前の武器だぞ！！」
政の一言に、霞んでいた視界が一気に晴れた。空気が変わった気がした。息が詰まりそうな重苦しいモノが、全て落ちた気がした。
俺は、ビビっていたのか。
格上だと端から決めつけ、自分には勝てないと。
退がるな。
お前に言われなくても、わかってんだよ。
"不退こそが、俺の武器"
俺の肩にあいつらの命がかかっている。
貂も政も、何よりA。大事なお前の命がかかってんだ。
こんな所で負けてられねェ。
だから、俺は…。
もう、退くことはしない。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
