33.甘え。 ページ33
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「広くて綺麗…。」
避暑地である建物の中に入って思わず出た言葉。
400年前に建てられた物にしては、中は綺麗に片付けられていて、とてもそんな古いモノだとは思えなかった。こんな山深い人里離れた場所にひっそりとあるのに、人の手が入らない限り普通ならもっと汚れているはず。
「いねぇな。誰も」
「そうだな。俺たちが早く着いただけだ。適当な部屋で休んで待て」
「じゃ、オレは遠慮なく休ませてもらおうっと」
どの部屋にしようかと楽しそうな貂を横目に、休める部屋を探しに行こうとする私の腕を政が掴んだ。
「付いて来い」
「え、でも、」
「Aー。こっちにデッカイ部屋があるぞ。来いよ」
「アイツには、休むと伝えろ」
「う、うん…。信、疲れたから私少し休むね」
「そっか。なんかあったら言えよ」と信はそれだけ言うと、静かになった。信に嘘をついたことへの罪悪感。そんな私の気持ちなんか気にせず、政は私の腕を掴んだまま歩き出す。
「案内してやろうと思ったが、気が変わった。そんな些細な時間も惜しい」
「あの、どこに」
「俺の部屋だ」
表情一つ変えずに、俺の部屋だなんて…。
部屋に連れて行って一体何を…？
「そこに座れ」
「ここに？」
「何か問題でもあるか？」
寝台を指差し座れと言う政。ただ座るだけなら、寝台ではなく椅子の方がいい。渋る私の肩をトンッと政が押した。その弾みで必然的に腰を下ろした私の横に政は座ると、膝に頭を乗せてきた。
「政…これは…。」
「アイツと同じように俺にもしろ」
腰に腕を回してぎゅっと私のお腹に顔を埋めてくる政は、まるで小さな子供みたい。信にしたことを自分にもしてほしいって思ってたんだ、と想像すると少しだけ政が可愛く思えた。
「子供みたいだね」
「悪いか？」
「ううん」
「俺にだって…甘えたい時はある」
綺麗な政の黒髪を何となく撫でてみると、「もう一回してくれ」と政は催促してきた。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
