28.選択肢。 ページ28
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「信――漂の弔いはその涙で最後にしておけ。これから先はお前の路だ。お前は今、二つの岐路にある。里に帰って下僕を続けるか。薄弱の王を援け、共に凶刃の野を行くか」
選択肢は二つのみ。
村を焼き払われた今、私も信も帰る場所はない。里典さん達亡き後。誰を頼ればいいのか分からない。
「A…俺は決めた。夢の為、漂の思いを無駄にしない為にも。俺は行く。付いて来てくれるよな？」
「信が決めたなら、私もそれに従う」
「…その、さっきは悪かった。殴ったりして…。」
私の赤く腫れた頬を見て、信は頭を下げる。
「大丈夫だよ」
「本当に悪かったっ！！」
「もういいから。ほら、顔を上げて」
下げたままの信の頭に手を乗せて、「怒ってないから」と撫でる。私の行動に恥ずかしそうに顔を上げた信は、ポリポリと鼻の頭を掻いて
「お前って昔から優しかったよな。俺にも漂にも。でもさ、その優しさが俺にだけだったら嬉しいのにって、いつも思ってた」
「信…。」
「仕方ねェだろ。俺…お前の事がずっと、」
「出口が見えてきた。ここに長居は無用だ。先を急ぐぞ」
「お前はいつもいつも邪魔ばかりしやがって！この崖から蹴り落としてやろうか！」
「やめろ。俺が死んだらAが悲しむ」
「はあ？お前がいない方が、俺には好都合だけど」
「なぁ、王様と信っていつもこんな感じなのか？」
貂の質問に私は苦笑いで答える。
これはこれで、お互い何でも言い合える関係で仲良くみえるけど。
信もどこか吹っ切れたような表情。
「A！」
「ん？」
「お前に怪我させた責任ちゃんと取るから」
「責任って？」
「責任って言ったらアレだ。お前を嫁に貰うってことだろ。まぁ、それがなくてもお前が俺の嫁になる、」
「Aこいつの戯れ言に付き合わなくてもいい。お前の将来は既に決まっている。俺の元以外、選択肢はいらない」
雲行きが怪しい。
また、二人の言い合いが始まりそうな予感。
「Aモテモテだな。で、結局のとこどっちが好みなんだ？」
貂に悪気がないのはわかるけど、その質問には答えられそうにない。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
