13.嫌い。 ページ13
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昌文君さんにこの部屋で待っていろと呼ばれ、待つこと数分。殺風景な部屋に寝台が一つ。宮中内にあるにも関わらず人目を避けるように湖にひっそりと建てられた部屋。
一人にさせられた不安はあるけど、逃げ出すことも出来ない。
何より閉めきられた部屋の暑いこと。少しでも暑さを和らげようとパタパタと手で風を送る。
体温の上昇であの力が放出されたら厄介だから。
「お前がAか？」
部屋の扉が開き、中へと入ってきた人物に私はホッと一息。
「待ってろって言われたからどんな偉い人が来るかと思ったら。漂だったんだね。もう、驚かさないでよ」
「俺は漂ではない」
「漂じゃない？そんな冗談言っても騙されないから」
私の言葉に少しだけ眉をひそめた漂は、スタスタと私の元に歩いて来た。
「痛たた…慣れない正座なんかしてたから足が…。漂、肩借りても…え！？ちょっとっ！」
肩を貸してと差し出す私の腕をガシッと掴んだ漂は、そのまま私を引き上げ抱き抱えた。驚く私に構うことなく、寝台へと連れて行かれる。
「漂っ！」
「うるさい。黙れ」
「黙れって、何する気なの…！」
「頭の悪いヤツだな。この状況でする事は一つ。助けを呼んでも俺の指示で今日は誰もここには来ない。覚悟を決めろ」
目の前にいるのは漂なのに、まるで知らない人のよう。口調も横暴で、一方的に自分の我を通す。少なくとも私の知っている漂なら私が嫌がる事も無理強いも、決してしないはずだ。
「お前、いい香りがする」
私に覆い被さってきた漂は嫌だと抵抗する私の腕を掴み拘束すると、キスをしてきた。触れるだけの簡単なもの。一度チラッと私を見て大人しくなったのを確認すると、二度目はより深いキス。
「騒ぐ気もなくなったか？」
違う。
初めての感覚に怖くて体が動かない。
「信…っ…助けて…！」
絞り出した声は震えていた。
「お前、」
「嫌…い……こんなことする…アンタなんか大嫌いっ！！」
力で敵わないなら、声の限り叫んでやる。
それが今私に出来る精一杯の抵抗だった。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
