57.立ち向かう ページ12
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「父上、この人は僕を助けてくれた方なんです!どうか、」
「千寿郎…女に守られて恥ずかしくねぇのか?お前は本当に情けない奴だ。強さも男らしさも、全部中途半端。弱くて、杏寿郎がいなければ何も出来ない役立たず。お前には、」
『ちょっと黙ってもらえますか!』
「なんだと?」
『黙って下さいって言ったんです!!』
他人から言われた言葉に傷つきもする。
けど、もっと傷つくのは肉親から言われる言葉だ。
それが千寿郎君を想って言ってくれる言葉ならいい。強くなる為に、自分を奮い立たせてくれるような檄なら。
多分、そうじゃないから腹が立つ。
『どうして千寿郎君を傷つけるような言葉ばかり言うんですか!どうして千寿郎君の言葉を聞いてあげようとしないんですか!一方的な言葉で詰って、内面を見ようともしない。話し合おうともしない。千寿郎君は優しい心の持ち主なんです。優しさも強さの一つです。だから、千寿郎君は弱くない』
「Aさん…」
「どんな屁理屈だ。ガキが偉そうに俺に説教しやがって、」
「父上!この様な場所で揉め事は辞めて頂きたい!!」
辺りに響く声
その声は安心感さえ抱かせる。
「兄上!」
千寿郎君の嬉しそうな顔。
それに比べて父親の表情は真逆。
「チッ、千寿郎ボサッとしてねぇで夕飯の準備しろ」
「あ、はい…」
何事もなかったように屋敷へと戻って行く父親に、私は大事な事を聞きそびれてしまった。
『あの煉獄さん…』
「どうした!」
『累のこと伝えそびれてしまったんですけど…大丈夫でしょうか?』
「それは知らん!だが、大丈夫だろう!」
それって…どっち?
大丈夫なのか、そうじゃないのか。
「しかし父上に真っ向から意見するとはあっぱれ!君の心意気は立派なものだ」
「僕としては姉さんには後先考えて行動して欲しいけど」
『元は累が正体曝すからいけないんでしょう?私は累を守ることで必死で、』
「うん…わかってる。姉さんが僕を思って行動してくれたってこと」
ありがとうと甘えて来る仕草に、私は弱い。
本当に可愛くて、怒っていたことも忘れてしまう。
「夕食!!兄上も一緒に食べられますよね?」
「うむ!だが千寿郎、いきなり大声を出してどうした?」
累の髪を撫でている千寿郎君と目が合う。
「何でもありません」
煉獄さんの言葉に、千寿郎君は不機嫌そうに応えた。
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三月の専属ストーカーなつめみく - うあああああいいるいくん救済!!救済だあああ!!やったあああああ!ここのコメント欄の空気ぶち壊していくうううう!!てか面白すぎいいいい!もうね!設定が!神なんよ! (10月24日 9時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - ありがとう〜♪続き待ってるね♪(*⁰▿⁰*) (2022年1月2日 18時) (レス) id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - アオイさん» アオイさんは多才な才能をお持ちなんですね。絵も描かれ、ピアノまで弾けるなんて羨ましいです。累君のテーマ曲、今度聴いてみたいと思います。更新の準備致しますね。千寿郎君と煉獄さんのお話からになりそうです。その様子に累君ヤンデレ化しないといいですけど(笑) (2022年1月2日 0時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - まぁ、私の話は置いといt((無一「更新頑張ってね」 (2021年12月31日 23時) (レス) id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 累君は、ヤンデレも似合うしツンデレでも似合うなぁ〜って思うと、私 顔が真っ赤っかになるですwww.自分で描いた累君を見ると『可愛い///付き合いたい///エンジェルですか⁉あなた⁉』ってよく言ってて 累のテーマの曲をピアノで弾くとギャン泣きにいつもなってる (2021年12月31日 23時) (レス) @page10 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2021年9月28日 20時