期待値ゼロの声を聞くもの。２【鬼滅の刃】

47.お願い　善逸side ページ2

.



「どうしたんだ善逸？」

「Aに構ってもらえなくて拗ねてんだろ？ちなみに俺はこの後構ってもらう、」

「お前らさ、何で俺より後から来てAを奪おうとするんだよ！俺がじいちゃんの辛い修行にも耐えられたのは、Aがずっと側にいたからだ。俺にはAが必要なんだよ！頼むから…邪魔しないでくれよ」

「善逸…」


炭治郎にも伊之助にも、悪いと思ってる。
誰を好きになろうが、自由だってことも


けど、みっともなくても女々しい奴だと思われても、俺は二人に頭を下げてお願いするしかない。これから別の任務が入って、バラバラになった時にAに手を出さないように、二人を言葉で縛る。


卑怯なやり方かもしれないけど、他に方法なんかなくて…。


「ここに居たんですか！善逸さんと伊之助さんは訓練の途中のはずです！また逃げ出すおつもりなら、どうぞご勝手に！！」

「い、今から行くから…」


顔は可愛いのにアオイさんはめちゃくちゃ厳しい。苦い薬を俺がちゃんと飲んだか監視してくるし、女の子に見られるなんて嬉しい状況だけどさぁ…ほんとに怖いんだよ。


「善逸さん、心の声がはっきりと聞こえてます！」

「ヒィイイ！！すいません、真面目に訓練します！苦い薬もちゃんと飲みます！」

「当たり前です。全く貴方達は、一度柱の方々に稽古をつけていただいたらどうですか？特に善逸さんはその曲がった邪な根性を叩き直して、改心するべきです」

「俺だけ名指しなのね…」


的確に痛いところを突いてこられ、訓練に向かうべくふらふらと歩き出す。


「柱の人に訓練か…」

「炭治郎？」

「上等じゃねェか！柱だろうが関係ねェ！！どっちが上かやってやろうじゃねェか！」

「伊之助やめよう…」


ほんとに死ぬから。
柱の強さ舐めてたら、俺達なんて瞬殺だよ。
触れるどころか間合いにすら入れないよ。


「善逸、継子って知ってるか？」

「知ってるかって、当たり前だけど…」

「なんだそりゃ？上手いのか？」

「いや、食べ物じゃなくて…。それがどうかした？」

「少し気になっただけだよ」


炭治郎の少しは、かなり気になっている感じだ。
大きな目をキラキラして、これが興味ないような顔に見えます？


「Aはどの流派に興味あるんだろう」


何気ない炭治郎の一言に、よくよく考えたら柱の人達の比率って…男多くないか！？

48.勧誘→←46.記憶２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す