雪は雲とともに【3】 (ページ37)

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第97話ページ37

「ﾌﾝｯ。あんたにそのリングは相応しくないわ。それは神の愛娘であるあたしのモノよ」

ゴスロリ小娘の言葉に、僕のどこかでプチｯとなにかが切れる音がした。

「ﾌﾌﾌｯ。神、……神だと？」

「な、なによ。創造主たるあたしのお父様に文句つける気かしら」

「……僕は、神の存在など認めないっ！」

(か、会長の雰囲気が、ヤバいぃ!!)

(((す、すげぇ冷気が……)))

気がつけば、僕とゴスロリ小娘――長いからもう小娘でいいや――の周りには一定の距離があいていた。

「ｸｸｸｯ。くそったれの神など、この世に存在してたまるものか！

そんな不確定要素満載な存在なぞ、僕が切り刻んで豚の餌にでもしてやるっ!!」

(((や、やべー)))

「はぁ。相変わらずだね、Aの神嫌いは」

「ヒ、ヒバリさんっ!?」

「チャオッス、ヒバリ。………あいつ、どーしたんだ？」

「やぁ、赤ん坊。……彼女は極度の神嫌いでね。その名を口にした草食動物は必ず咬み殺される」

「会長ってやっぱりヒバリさんと同じタイプーっ!?」

いやいや、この戦闘狂(バトルジャンキー)と同じにしないでくれるかなー、沢田くん。

僕はあのくそったれの存在Xの名を出す小娘が許せないだけだよ。

「そ、それでは明晩の対決は、雪のリングの適正を持つもの同士とさせて頂きます。なお、リングはそのままA氏に明日まで持っていて頂きます」

それでは、また明晩。との言葉とともにチェルさんたちは消えた。

そして、暗殺部隊の皆さんも各々何か抜かして帰っていった。小娘はご丁寧にサングラスを外して、僕を睨み付けてから。

「か、会長……」

「沢田くんか。気にするな、僕は個人的にあの小娘(と存在X)が気に食わないからやるだけ。君が気にやむことはない」

「で、でも！相手は暗殺部隊で、」

まだごちゃごちゃ言いたそうな沢田くんの口を物理的に押さえ、ニヤリと黒い笑みを見せる。

「君に心配されるほど、僕は弱くない」

「(ｿﾞｸｯ。……で、でも、気をつけてください、ね」

「ｸｽｸｽ。ご忠告ありがとう」

また明日ね、と普段の笑みを沢田くんたちに向けて一足早く帰路についた。

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