【オリジナル】アンチ・サイ (ページ7)

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嘘つきページ7

目を開けると、私の住んでるアパートの玄関の前だった……。一瞬すぎてこんがらがってる…。さっきまであんな山奥だったのに？

シ「Aさん……？何か、ズボンの右のポケットのやつが鳴ってますよ？」
貴「えっ？」

ズボンの右のポケットね…何入ってたっけ…。…………。

貴「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

それは私のスマートフォン……。そうだ…私、サークルで登山してたんじゃんか！んで、迷ってて……。ヤバイヤバイヤバイ！皆心配して、着信いれてくれてたんだ…こんなにいっぱい…。とにかく、出ましょ。

貴「もしもし……Aです。」
『あー、もしもし？A？やっと出てくれたぁ～。出たってことは生きてるんだね～良かったぁ～！今どこにいるの～？』

今出てる子は、私の同期の早乙女萌。ふわふわの癒し系女子で、喋り方も少し人よりゆっくり。「今どこにいるの～？」……ね……。ちょーアパートの目の前ナンデスケドー。

貴「今ね……自分のアパートなんだわ……。」
萌『え～～こんなに心配してるのに、いないと思ったら勝手に帰っちゃったの～～？』
貴「いや、遭難したのは事実だって！あのね、迷ったとき……………。」
萌『ん～？』

こんなこと言っても……信じないよね…。「山小屋で超能力者の男の子拾った～ww」何て絶対言えない。馬鹿にされる……。

貴「ごめん、やっぱ勝手に帰ったことにしといて…。」
萌『えっ、何で？今何か言おうとして………………』

ごめん、萌。今そんなとこじゃないんだよ。シイナ君を何とかしなきゃ…いけないんだよ。だから、切らせてもらうね！

シ「あの、今のは何ですか？独り言に見えますが、誰かと会話してたんですか？」
貴「うん。これはスマートフォンって言って、持ち運びが出来て、離れてる人と会話できる機械なの。」

う～ん、我ながら苦しい説明。

シ「そうなんですか！スゴいですね！人間は進化してますね！じゃあ、じゃあ、あの建物は何「「シイナ君、早く入って！」」

私は無理矢理部屋に押し込んだ。だって今……隣のオバサンに見られてしまったのだから…。いつから見てたんだよ！ヤバイ、また変な噂作られるよ…。

シ「Aさん？」