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数十分後。ピーッ、ピーッというオーブンの音を合図に揃ってキッチンに集まった。
しるこ「ちょ、狭い……。」
花江「俺たちだって出来上がりが見たい……っ」
「あの、熱いから危な、私が退くので代わりに誰か取り出してください……っうぉ!」
先生「危なっ!大丈夫か?A。」
何もないところで躓いたAを咄嗟に傍にいた先生が支えた。
「あ、りがとうございます……。」
じらい「じゃあ俺パン持ってくので、テーブルに濡れタオル敷いてほしいです!」
いちはち「だと思って布巾濡らしてるからちょっと待って〜!」
じらいちゃんが通る道を作るためにと先生がAの体を引き寄せた。
柔軟剤の爽やかな香りが鼻をくすぐる。
「っ、」
先生「……ん、どうした?」
「ナンデモナイデス……。」
先生「じらいちゃん通るからもうちょっと我慢な。」
「ウ、ダイジョウブデス。」
じらい「はーい通りますよー!」
うしろを熱気と甘みのある香ばしい香りが通り抜けた。
先生「よし、行くか。」
ぱっと先生の手が離れ、自由になる。
しるこ「……Aちゃん?どうしたの?」
その場で動かないA怪訝に思ったしるこが声をかけた。
「あ!いや!何でも!行きましょう!」
しるこ「う、うん……?そうだね、行こうか。」
Aは妙に熱く感じる自分の顔を手で押さえた。
ほかほかと美味しい匂いを周囲に撒いているさつま芋パンをみんなで囲む。
賢章「やば!超おいしそう!」
正一「これは確かに美味しそう。」
じらい「熱いうちに食べよ!」
かぷり、と口に運ぶとふんわりした風味と胡麻の香ばしさ、さつま芋のほっくりした甘みが口に広がった。
いちはち「うっま……!」
幸せそうに食べる一同をAはぼーっと満足げに眺めたのだった。
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まめこ(プロフ) - そらなぁさん» そらなぁさん、コメントありがとうございます!レス遅くなりすみません!発想を褒めてくださりありがとうございます!予定の調子が良ければ今月中にまた更新できると思いますので今後ともよろしくお願いいたします〜! (2021年3月12日 21時) (レス) id: 3aefbeea6b (このIDを非表示/違反報告)
そらなぁ - コメント失礼します。もう、読んでいてめちゃくちゃ楽しいです!bintrollのシェアハウスなんて私だったら絶対思いつかない設定なので、尊敬しながら読んでいます。体に気をつけながら更新頑張って下さい。 (2021年3月4日 23時) (レス) id: 9b06ee166f (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - ひめかさん» ひめかさん、初コメントありがとうございます!嬉しいです!色々立て込んでいて更新が遅れている状況ですが、ひめかさんからコメントも頂いたのでできる限り近いうちに更新しますね!本当にありがとうございます! (2021年3月1日 20時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ひめか - 初めてコメントさせていただきます!キュンキュンしながら楽しませていただいております(^^)これからも楽しみにしてます! (2021年2月25日 15時) (レス) id: 45f6c41ced (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - 言いそびれました!私もBinTRoLL大好きです!!!笑 この作品にたどり着いてくださり、誠にありがとうございます! (2021年1月29日 15時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2020年9月6日 14時