神に従い、神に逆らえ【オリジナル】

11。黒い血、止まらない豪風 ページ14

香月「―――気高き悪魔は必要以上に魔法は使わない…」


私達の周りには、強い風が舞い踊っているというのに、

香月の周りは怖いぐらい、風は吹かなかった。


もしかしたら、これも悪魔の持つ避けようのない能力なのか。




レモン「いいもんいいもん！ 無理矢理使わせちゃうんだからッッ！！！」






―――何が起きたのだろう、


――――何が起こったのだろう、







香月は黒い血を吐く






その瞬間に、空はドスの利いた黒と比喩するしかない色に表情を変え、



香月を中心にすさまじい音をあげて豪風が吹き荒れ始めた。






フレディ「――ッ!! コハル！！！」


長い髪を押さえつけながら、フレディはありったけの大声を上げる。




レモン「あらー？ まだ隠してたの？」



一瞬だけ、瞬きの間だけ、風は止まったように思えた。





「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンッ！！！」


フレディをかばう様にしてどこからともなく出現した少女は、

まさかの台詞でドヤ顔を決めている、アホの子だった。



だがそれに動じる事もなく、フレディは私の腕を掴んで走り出す。



レモン「えー、逃げちゃうんですかー？」

バカにしたような鼻笑いをして、腕を組む少女。



黄金に輝くその髪の毛からは、獣の耳のようなものがうっすら見えた。

12。香月…→←10。殺気だって、魔法を見せて？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す