薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第6話:冷たい ページ7

しばらくして、夜が明けた。
いつの間にか眠っていたらしい。
目を覚ますと、目の前には男がいた。

？？)…そんなところで寝ていたら風邪を引くぞ…

そういう風にしているのはどう考えてもそちらだ。

A)……そういうのはどうでもいいんですが…結局どうなったんです？

？？)…土方さんが呼んでいる…付いて来い…

質問には答えず、そのまま男は歩き出した。
仕方なく付いて行った場所にはたくさんの人がいた。

？？)こいつ…？

？？)ちっこいなぁ。まだ餓鬼か。

この年で餓鬼と言われるのはさすがにムカついた。

一部の人からは冷たい視線を向けられた。
思い出されるのは昨日の光景だった。

？？)てめぇ…何処から来た…

急な質問だった。

A)…それを聞いてどうなるんです？

？？)良いから早く答えやがれ。

A)言わないと言ったら？

？？)つくづくムカつく子だね。良いから早く答えなよ。斬っちゃうよ？

A)斬りたいなら連れて来ずにその場で斬ってしまえば良かったんですよ。

そうすれば全て終わっていたのに。

？？)…本当に斬るよ…？

男の目が真剣なものへと変わった。
これは本気の目だ。

A)…その方が楽だと思いますよ？

？？)やめやがれ。こいつの事は俺らで決める。

？？)…その決める人のなかに僕も入ってるんですがね…

？？)お前だけじゃねぇだろ。

都合が悪いなら斬ればいいのに。
この人たちは本当に意味が分からない。

A)…馬鹿みたい…


この言葉は誰にも聞こえていなかった。

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