薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第18話:価値 ページ19

A)楽しそうですね。

土方)どこがそう見える…

A)どこでしょうかね？

気に食わないと言った表情で全員がこちらを見る。

不知火)まぁ、どうでもいい。それよりよー、そこの女渡してくんね？なかなか帰れねぇんだけどよ。

A)私にはどうでも良いことだ。

不知火)ありゃ。あんた此処の仲間じゃねぇの？

A)そんなものになった記憶は一つもないね。

まぁ、さっきから強く腕を握られてるけど。
まるで、行きたくないと必死に訴えるように。

風間)なら都合が良い。そいつをこちらに渡せ。

結局私のことは思い出せない方面で向かったらしい。

千鶴)私は行きたくありません！！

俯きながらも力強く千鶴ちゃんはそう言った。

風間)こいつらにとってお前はあまりにも過ぎた存在だ。我らと共に来い。

口説いてるのか、口説いてないのか分からん。

千鶴)私は此処で皆さんのお役に立つと決めました！！だから、貴方のところには行きません！！

どうやったらそんな決心がつくのか分からない。
たかが拾われもので、たかが人探しのために置かれたこの場所に微塵も価値など感じない。

沖田)と言うことなんでね。

原田)渡すわけにゃいかねぇな。

目の前に立った二人。
何のためにここまでするのか。

呆れて見ている私の顔を千鶴ちゃんは何故かジッと見ためていた。

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