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桃花との通話を終わらせるともう家を出ないといけない時間だった。
一応財布と携帯と…リップ持っていこ、
「行ってきます。」
行ってらっしゃいもおかえりも返ってこない部屋をでて警察署に向かう。
・
「七瀬Aさんね。
御足労感謝するわ、聴取を担当する上原よ。」
よろしく、と声をかけてくれる上原さんを見て少しだけがっかりしている私がいることにゾッとした。
「よろしくお願いします…」
お店に来てくれましたよね、ありがとうございます。
そう言うとこちらこそ!いい店ね。と続けてくれた。
…いい人かも。
「早速なんだけど…」
私は今まで起きたことを全て話した。
メモを取る上原さん、もう1人の人の様子を見ながら
きっと情報としては全部知ってるんだろうけど…
高校まではそこそこ幸せに暮らしたこと。
両親が事故にあっていなくなったこと
私は大学を諦めてフリーターになって、
妹は行方をくらましたこと。
「高校時代までは桃花さんとの仲はよかったの?」
はい。大きな問題もなく、良い関係だったと思います。
「ご両親との仲は?」
…良かったです。育ててくれて感謝もしています。
これは本当は少し嘘。
ずっと私たちを比較してきた両親、
育ててくれたことは感謝しているけど私たちをそれぞれとして見てくれなかったからな…
「妹さんと会っている?連絡は取っている?」
…他の刑事さんにもお話しましたが、会っていないし連絡もとっていません
心臓がまたバクバクいっている
「…正直に話してね。貴方も分かっているでしょう、共犯者も罪に問われる可能性があるのよ。」
…分かってます。
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時