共犯者【名探偵コナン】【諸伏高明】 (ページ16)

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｢もしもし。お久しぶりですね。｣

低くて耳に心地良い諸伏さんの声。

何の用事かと身構えたけど特に用事はなく、ただどうしているか気になっただけのようだった。

警察官はこんなことまでしないといけないのか……大変だな。

｢今は……職探ししてます。

結構顔が話題になってしまったので

リモートで働ける職種がないかなぁ、と。｣

数秒の沈黙のあと、諸伏さんは

大学進学を考えてみては、と言った。

｢以前部屋を訪ねた時に解きかけの入試問題が目に入りましてね。もしや、と。

全く考えていない、ただの暇つぶしで解いていたのでしたらすみません。｣

何を言ってるんだ。

そんなお金が私にある訳ないじゃないか。

｢……行きたい気持ちはありますけど、

そんなお金ありませんから。｣

もう用事がないならこれで、と電話を切ろうとした時

｢給付型奨学金制度をご存知ですか？｣

奨学金……言わば借金ですよね。
借金してまで大学行ってもしょうがないし…無理ですよ。

ネガティブな発言のオンパレード。

しょーがない、あんなことがあったばかりだもん……いや、元々の性格かな。

｢大丈夫。給付型は貸与型と違って返済を求められませんから。｣

もし、本当にお金で困っているのなら近くの市役所に行ってみるといい。

力になってくれるはずです。