1 ページ1
あれから数日が経ったわけやけど、職場では相変わらず誠也と気まずい。必要最低限の会話しかしたくないのに、なぜか誠也は私に構う。
末「星宮さんちょっと、」
「ごめん、今手が離せんから」
このやり取り、今日で三回目なんやけど。仕事の話なら聞くけど、明らかにそうじゃないって分かる。だから避けるように、出来るだけ二人きりにならないようにしていた。
末「星宮さん、そろそろいいっすか？」
「あ〜、今はちょっと…」
四回目で、誠也は我慢の限界がきたらしい。
末「ええからはよ」
「話ならここで聞く」
私の方が一枚上手やと思ったのに。それは間違いやったみたい。
末「ほぉん。こないだ車の中でAにキスし…」
「ス、ストップ！！！」
末「屋上、来て。」
名前呼びに、『キス』のワードとか、絶対あかんやつ。
ストップをかけると誠也は含み笑いをし、屋上に来てと言った。
深く長く息を吐き、心を落ち着かせる。
「…用件は？」
屋上で待っていた誠也の髪が風に靡く。
太陽に照らされたそれはキラキラと光って見えた。
末「何で俺のこと避けるん？」
「何でって…」
誠也の質問は、私から言わせて貰えば意味分からんというか。私、この人にフラれたよな？それとも誠也の意見としては、フッたけど仕事なんやから今まで通りにしろよってこと？
末「俺のこと嫌いになったん？」
「嫌いなわけ、ないやろ…」
誠也は眉を下げて小さく笑った。安堵の表情とでもいうのか、、
「なあ、何なん？この前から、」
末「戻らん？」
「は？」
末「俺ら前みたいに戻らへん？」
聞き間違いかと思った。前みたいに、付き合わずに身体の関係を持つってこと？今の誠也にはちゃんとした彼女がおるのに？
「どういうつもりなん…彼女はどうなったん…」
末「ごめん…俺、A不足やわ…」
私の質問には答えへん。ということは、彼女はまだ彼女のままだということ。
「末澤く…」
末「その末澤くんって呼ばれんのも、無理やねん」
誠也の右手が左の頬を包んで。かと思えば肩に回した腕に一瞬だけ力が入って引き寄せられる。
あっという間に抱き締められて、鼻の奥がツンと痛んだ。
「なっ、にして」
末「A…」
誠也の抱き締める力は強くなる一方で、首元に顔を埋めてくる。
私も私で、誠也の匂いに酔いしれて。
突き放したいのに、それが出来ない自分に呆れる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 845人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうゆ(プロフ) - ぽやさん» 良かったです😭✨勝手に使ってすみません😂笑 (2023年4月25日 19時) (
レス) @page48 id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
ぽや - ゆうゆさん» そうなんですよね😇正門くんのお話にはぎゅんぎゅんがつきものですから✌🏻書いてくれたの嬉しいですっ😖 (2023年4月25日 19時) (レス) id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ(プロフ) - 永瀬れみさん» こちらこそありがとうございました🥰そうなんですね！お互い頑張りましょ💓 (2023年4月25日 6時) (レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
永瀬れみ(プロフ) - リクエストありがとうございました！私も描いてる側の人間なのでお互い頑張りましょうめっちゃキュンキュンしました！ (2023年4月24日 23時) (レス) @page47 id: 6b11212a22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ(プロフ) - ぽやさん» 重い正門くんも、『ぎゅんぎゅん💓』も、ぽやさんとのやり取りでお話に取り込んでみようと思い書かせて頂きました🤫💕恒例行事😂これがないと始まらへん！みたいな、ねぇ💙 (2023年4月24日 22時) (レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうゆ
| 作成日時：2023年3月24日 11時
