３０やよ ページ31
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β国の軍学校の寮に住み始めて約10年が経とうとした時。スピーカーから嫌な声が聞こえた。
《至急、会議室に集まれ。遅れたらグラウンド30周》
俺は速やかに会議室へ向かい、曹長の言葉を待つ。
「えー、諸君。我々は戦争の場に立つ事を許可された。嬉しく思え」
曹長が言った言葉は、かなり重っ苦しい事だった。
戦争…？軍学校だから色々と察していたけれど、本当に戦場に行くとは思えなかったからだ。
確かにこの学校のメニューは厳しかった。でも、生徒達はダラけた様子で一生懸命取り組む様子はなく、先生から教わった事何一つ身につけていなかった。
俺は違った。表ではそのようにしていたが、人が見えないところでコッソリ自主練をしていた。そのおかげか腹筋も割れた。体力も勿論上がった。
でも、この面子で戦争に勝てるわけがないと思った。
「これから配置を言う。よく聞いておけ」
一人一人名前を呼ばれ、どこの配置に付くか言われていく。俺は近距離だった。主にナイフやグロックで前線に立つ役。俺にはうってつけだった。
でも、いざ戦場に立つとどうだ。
やはり普段からしっかりと訓練してないせいで、味方はどんどん死んでいった。俺はそれでも耐えた。耐え抜いた。
インカムというものはこの国には存在しなかった。だから誰とも連絡が取れない状況の中、ただがむしゃらにグロックとナイフを振り回していた。
『…！そこや！！』
的確に木の上にいた敵を殺し、油断してしまったのかもしれない。
後ろには赤いマフラーをたなびかせた人が立っていた。
あ、死ぬ。
『う………ぁ……………』
意外と早く反応できたため急所は逃れたが、右腕の肘をピンポイントで刺してきた。流石我々国、強い。
ドサ、と力なく倒れた俺の元に、赤いマフラーの人は静かに寄ってくる。
「死ね」
俺の脳天に剣を刺して来ようとした時。
彼の手が寸前の所で止まっていた。
殺すなら、早く殺して。
そう願いながら、彼の顔を見る。
「は！？ふざけんな！！おま、敵やぞ！？なんで持ち帰る必要があんねん！！！…はぁ？総統命令ぃ？？お前それ…はぁ、わかったわ…あぁ、連れて帰るって。へぇへぇ」
耳元で何かを操作して、誰かと喋っていた。
『…殺すなら、早よ殺せぇな』
「すまんな。うちの総統がお前の事を気に入ったらしい」
は？なんで敵国の総統が？？
「取り敢えず、失礼するで」
俺は訳もわからないまま男に俵担ぎされ、連れていかれた。
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みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜！！ (2019年8月6日 19時) (
レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい！！！ (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます！！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜！密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います！ (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
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