２７やで ページ28
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ある日の朝。
いつもより早く、目が覚める。そして親にバレないよう、1人で電車に乗り、コネシマの家に向かう。
これまたコッソリと叔母さんにバレないように、コネシマの部屋へ窓から入る。
そこは何故か、蛻の殻だった。俺はそこに蹲り、静かに泣く。
『やっぱり、“ぐんがっこー”行っちゃったんだ…』
幼かった俺は、また会えると信じていたのかも知れない。
でも、もう2度とお母さんの口から“コネシマ”と言う言葉は出てこなかった。
ーーー
初めて強く反抗したのは、俺が17の時。
それまでコネシマの事を忘れたことは一度もなかった。
母さんとは少しは反抗する時期もあったが、仲は良かった。
でもそれはある言葉で、一気に崩れた。
「ちょっとA、来てくれる？」
『何〜？』
ある日母さんに呼び出され、リビングに向かうと、そこには叔母さんがいた。
俺はぺこりと会釈をする。
『なんで叔母さんおるん？』
「ちょっとお話ししたくて」
「はい、姉さん。ミルクだけでよかった？」
「うん。ありがと」
母さんは叔母さんの目の前に珈琲を置き、叔母さんはそれを一口飲んで机の上に置いた。
そして、俺を見つめる。俺は唾を飲み込んだ。
「…コネシマが、戦争で亡くなったわ」
静かに、そう告げた。俺は目を見開いて、嘘だ、と心の中で呟く。そしてそれは簡単に爆発した。
『う、嘘や！！だって、あのコネシマやで！？戦争なんかで負けるわけない！！！てか、なんで、コネシマが戦争出てんねん！！！！意味わからへんわ！！！！』
「それは…」
『俺知っとるで、俺らに内緒でコネシマを軍学校に行かせた事！！全部全部、お前らのせいで全部崩れたッ！！！俺とコネシマの愛を崩した！！！！
もう俺は、そこまで弱ない！！もう誰も信じへん！！！誰の支援も受けん！！！独りで生きたる！！！！』
「ちょ、A！？」
母さんが、いや、女がなんか言っていたが、俺は無視して自分の部屋のもの、最小限のものをボストンバッグに詰め込み、背負う。
言うて要る物は全部入った。一番大切なものを残して。
もう誰の声も聞かずに玄関から出ようとした時だ。
「待ちなさい！！！」
と女は大声で叫んだ。
…今聞くと耳障りやんなぁ。
『誰がお前の声聞くかよ。俺ら全部聞いたもん。“気色悪い”んやろ？やったら俺も出て行くわ。追いかけてこんでよ、不快やから』
俺は手も振らず、ただ只管、別の国を目指して歩き続けた。
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みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜！！ (2019年8月6日 19時) (
レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい！！！ (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます！！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜！密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います！ (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
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