２０やよ ページ21
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「…し、ま？なんで、ここにおるん？」
思わず口が滑っていた。
小声でゾムに注意されてから気づいてしまった。注意された時には、もう既に手遅れだった。
シッマだったら俺らに対して武器を、凶器を構えない。仲間だから、信頼してるから。でも目の前にいる“シッマ”は、俺らに対して鍬を向ける。
でも、服が違う。赤と黒のストライプは同じだが、シッマはジャージなんてものを着ない。常に半袖短パンの元気野郎だ。ジャージの上なんて着るはずがない。
でも、間違えるのは致し方ないと思う。
髪型、体型、身長、更に声までシッマそのものやった。間違えるな、と言われても間違えそうなほど。
目の前の“シッマ”は一瞬目を見開き、大声で叫んだ。
『っ不法侵入やで！！国のお偉いさんが何しとんねん！！！早よ出てかんと、この鍬でボコボコにしたるッ！！！！！』
彼の言葉は重く、俺らに突き刺さる。本人ではなくとも、痛い。
確かに不法侵入した。俺が思わず提案してしまった事。国のお偉いさんもあっとる。俺達は幹部だから。
でも其処まで知っているのに、目の前の“シッマ”は武器を下ろしそうにない。
「…シッマちゃうん？」
『ちゃう。シッマってやつは誰かわからんけど、お前らがこの国の幹部だって事は知っとる』
ちゃんと、ハッキリと受け答えしてくれた。武器は向けて警戒しているようだけど、案外そこまで悪い人やなさそう。
「…シャオロン、こいつどーする？」
「どうもこうも、城に連れて行くしかないやろ」
ゾムと小声で話し、どう連れて帰るか考えた。
すぐに合図を出し、俺が鍬を使い物にならないように抑え、ゾムが“シッマもどき”を確保した。
『っ！？流石幹部様やわ。敵わへんなぁ』
「褒めてもらうのは嬉しいんやけど、城について来てくれるんやったらこの手、外してやってもええで？どうする？」
『…わかった、ついていく』
ついていく、と答えた彼を他所に、ゾムは完璧に腕を布で縛り上げていた。あ、ちゃんと西瓜が入ってた籠はおろしとるよ。
どうやら彼がシッマじゃない事は確定のようだ。
『下山の道わかるん？』
「…心配すんな。俺らには優秀な人がおるから」
シッマに対して怒る事は慣れていないため、優しく答えてしまったが、それでチョロいと思われていないだろうか。それだけが心配だ。
ゾムがインカムでロボロに伝えてくれて、無事に下山し、馬車を利用して城に帰った。
移動中、彼はずっと無言だった。
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みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜！！ (2019年8月6日 19時) (
レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい！！！ (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます！！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜！密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います！ (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
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